新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

袋が味

1月29日

正月も含めて久しく実家に行ってなかったので

行くことにした。

急に決めたことなので

レンタカーが全く空いてなく

泣く泣く電車で移動することに。

片道たった1時間30分ほどなんだが

乗り換えやら歩きやらが

どうにもこうにも面倒なので

毎度レンタカーを借りているのだ。

で、電車で行くのは久しぶりなんだけど

思ったより快適で素敵であった。

子供もいることなので

迷わずグリーン車に乗り

リクライニング全快で行く。

あ~、かなり楽チン。

息子は電車に乗って10分で寝てくれるし・・・

ひとしきり実家で祖父母と母親と遊ばせる。

叔父さんの娘が来月結婚するのだが

そのスピーチ原稿も書かされる。

「な、なんで俺がそんなん書くんだよ」

「お前得意だろ。もしくはお前がスピーチしろ」

「は?俺がスピーチするのはおかしくないか?」

「どーでもいいから、書いてくれよ!」

「わかったよ!」

よくわからんが

長谷家で異端児の俺は

人前であがることなくスピーチができる男らしい。

寡黙でまじめな気質の長谷家で

そんなことができるのは俺しかいない。

で、よくわからんが

人の娘の結婚式のスピーチ原稿を作成する。

旦那についても全く知らんし

エピソードも出てこない。

話しを聞いても『とにかく短く』としかオーダーがない。

仕事に例えるとこうだ。

ドキュメントを作成するのに

取材しても答えが返ってこない。

適当にナレーションを作ろうにも

全くの嘘は書けないから頭をひねる。

制作側からは放送尺が

短ければ短いほど良いなんて言われる。

全くひどい仕事だ。

いや、でも、完璧にこなした。

素晴らしいスピーチとは言いがたいが

後は本人が味付けをするしか無いのだ。

俺にできることはやったさ。

そうそう、味と言えばだ。

毎回、実家に行くと必ず母親が

俺の大好きな昆布を煮たやつと漬物を出してくれる。

昆布を煮たやつは最近では

うちの奥さんも覚えて作ってくれるが

漬物だけはやってない。

厳密に言えば母親が漬けているのではなく

祖母が漬けているのだが

これがやたらめったら上手い。

今回は、行くことが急だったため

その両方を食べることができなかったのだが

母親が気を回してくれて

カブの漬物を持たせてくれた。

明日の夜これを食べるのがとっても楽しみである。

いわゆる『お袋の味』ってやつなんだろうが

10何年間慣れ親しんだ味というやつは

そうそう忘れることはできないもんだ。

他の家の方が食べても

大したことは無いのだと思うけど。

味覚の趣向を決めた大きなことだと思う。

つまり、今後うちの息子は

奥さんの味を『お袋の味』として

自分の味の趣向として覚えていくわけだ。

なんだか不思議な感じがする。

家族ができたということは

こういうことでもあるんだとも思う。

さて、今日はめでたく

いくつかの仕事も決まった。

先日、親分と行ったプレゼンが通り

あるVPが正式に始動する。

結構大掛かりなVPでタレントも出演したりする。

演出は俺だ。

で、前々からやっていたVPが

また俺のとこに回ってきた。

編集のみの作業となるが

今回がラストらしいので

感慨深いものがあるVP。

で、で、もうひとつ。

最後に今日メールがあり

CMの演出も決まった。

さすが期末。

仕事がうなりをあげて

襲い掛かってくるようだ。

多分、今後も電話がじゃんじゃん鳴り、

(すでに2本断っているが)

更に何本か仕事をダブらせるだろうと思う。

これから先は

猛烈に忙しい日記になることを予想。

あ、そうそう、

日本の自転車泥棒 JAN』の

第3部撮影日程も気になるところ。

忙しいのは大好きな俺だが

睡眠は必要ですと

今のうちに言っておく。

じゃ!