新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

俺の贖罪。

2024年2月20日

割り算にはどうしても割り切れない問題があって
算数だと、あまりいくつとか
数学だと、小数点何位で切り上げとか

まあ、なんとか割ろうとするもんで。

これが、こと「気持ち」とか「想い」なんてことになると
途端に割り切れないというか割りたくないというか
そんなことすべきじゃ無いとか。

例えば、息子と娘はどっちが大切なのか、とか
ロッコ問題的なやつ。

母が居ない世界になって4ヶ月が過ぎた。
ふと泣くということはなくなったが
ふと考えることはずっと同じ。

「どうして?」

そりゃ、何もやってくれなそうな息子だし
実際、たいしたことはやってなかったけど
何も言わずに逝くほどのことだった?

だから、自宅で風呂に入っていると
ついつい、もしかしてアレが原因か
あの言葉が引き金か、と
色々と考えてしまう。
銭湯やスパ銭、サウナだと気が紛れるのでいい。

結局のことろ、全く答えは出ない
本人はこの世に居ないし
私が逝ったとしても、
考え方の一つとしてあり得るのは
同じとこには行けないだろうってこと。

ま、そうやって、数学として割り切っている。
もう、二度と、金輪際、永遠に、永劫に
母とは会えないから「答え」は分からない。



今でも、あの日と母の顔がフラッシュバックするし
連絡を受け、母の団地に向かう道すがら
見えたきた団地と見えてくる赤色灯、
救急車から小走りで団地に向かう救急隊。
半開きのドア、バタバタ聞こえる足音、
大声で連絡し合う警察官。

パシャパシャとフラッシュの音も聞こえる。

2hの警察ドラマかよって思った。

ドアを開け、声をかけると


「息子さん?息子さん来た!おい!息子さん!」

 

そこからは、波状攻撃のような連絡ごと
矢継ぎ早にされる質問、確認、連絡、、、

ああ、母はこの世には居ないんだな。

山のような連絡ごとを聞いた後
母の確認をするために
検察官がシートをめくった。

もしかすると脳がフィルターをかけているのかもしれないが
その時の母の顔が思い出せない。

だからまあ、フラッシュバックするのは
真っ黒になっているイメージなんだけどね。

最後に会話をしたのは
私と妻が結婚記念日で旅行で出た先だった。
風呂に入り、サウナにも入り
いつも自分より少し長く入っている妻を待とうと
海が見えるラウンジの椅子に腰掛けたところだった。
携帯電話に電源を入れると母からの着信があった。

自宅で具合が悪くなり救急車を呼び
病院で安静にして落ち着いたのでタクシーで帰った、
という話だった。

これが初ではない。
すでに同様の事態が2、3回続いた。
最初時は、私も動けたから
緊急で飛び出して2時間かけて横浜の病院まで行った。

そうなんです。
これが続くと、しかも、病気や怪我ではなくて
対応しても、その甲斐が無いとなると
心配が迷惑に変わってくる。

ちょうど、その境の頃合いだった。

正直リゾート気分ぶち壊しのタイミングで
少しイライラしてしまった。
そんな感情のまま電話をした、切った。

その後、何度かラインでやり取りをした。
ネットスーパーで何々を買って欲しい、とかそういうやつ。

ちょうど、最後に会話をしてから1週間、
私は仕事でロケハンに出ており、
移動中の電車の中だった。

スマホに表示されたのは
ケアマネジャーさん。
その前の月に介護認定を受け
今月から週1回、ヘルパーさんが家にやってきて
掃除をしてくれることになっていた。

今日は、ちょうどヘルパーさんが来る日で
3回目の来訪日だった。

母の第一発見者はそのヘルパーさん。

自分で自分を責めるのは簡単なので辞めた。
自分で責めても、自分で許しちゃうし
全然へこたれたりしないし。

原因が結局わからないから反省のしようもない。

何もわからない。

なにもない。

正直、恐山行って聞きたい。

なんなんだよ、と思う。
18日が月命日で
わざとスケジュールに表示されるようにしている。

毎月、この日に考えるようにしている。

それが、俺の反省で俺の贖罪でいいだろ?

ダメか?