1月3日
正月ボケも覚めやらぬ今日。
明日からの撮影を控え
今日から始動することにした。
まず、朝から村本監督から
メールがきたことに始まる。
”どう?出来てる?”
いつもの先制パンチである。
はっきり言って出来ている訳がない。
だって東京にいないんだもん。
”うす。夜ご連絡します!”
僕はすかさず制作部に電話をした。
「打ち合わせしときますか?」
今日は東京についたら
すぐにドラクエをやってと
綿密な冒険の計画を建てていたのだが…
仕方がない。
仕事の方が大事だ。
ドラクエは帰宅してからやろう…
× × × × ×
特別急行に乗り東京へ
東京は想像より暖かく
マフラーなんかしてたら暑いくらいだった。
さっさと帰宅して年賀状の整理でもしたいのだが
地下鉄に乗り換えて更に東京の中心に向かう…
東京はさすがにまだ3日ということもあり
オフィス街なんかはまるっきし人がいない。
そんなゴーストタウンな街を
ガラガラと旅行鞄を転がして歩く。
どこもかしこも真っ暗なビル街の中で一箇所だけ、
煌々と明るいビルがある。
まさにそこに向かっていた訳だが
やっぱりなんか変だよね。
正月の3日ですよ〜
仕事してるんですかぁ〜
大変ですねぇ〜
つーか馬鹿じゃないかしら?
って俺のことか!
× × × × ×
制作打ち合わせ。
制作部と明日からの段取りを含めた
細かい内容を打ち合わせる。
何部の誰は何時にどこ集合か?
俳優部の入り時間は?
現場の現状や入りや出のタイミングは?
車は何台来てその内自家用は何台か?
香盤を元に些細な点を確認していく。
質問をして、また、質問に答えていく。
明日演出部も加わっての
打ち合わせがあるので
演出部が動きやすいように
地ならししておかないとならない。
そんな時、また村本さんから電話がきた。
わざわざ北海道からよく電話をくれる。
「明日飛行機が飛ばなかったらやばいよね」
「やばいとか、そういう問題じゃないでしょう!」
「だよね。飛ばなかったら、任せるから」
「はあ?CMですよこれは!ある訳ないでしょうよ!」
「だよね。なんとかなるかなぁ」
「なるじゃなくて、するんですよ!」
「だよね…」