新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

魔法のケーキ

12月24日
昨日が深夜だったため
早めに起きようと思っていたが、
思っていただけで終わってしまった。

すでに居間で息子はおもちゃを出して遊んでいる。

どこかに行こうという計画はしてなかったが
天気も良いし息子は最近自宅ばかりなので
ちょっとだけ出ようと電車に乗る。

動物園に行ったのだが
動物園の奥にある遊園地ばかりに興味が行く息子。
普段なら動物を見ろ!と
強引に動物を見せるのだが
今日は許す。
だって、クリスマスだから。

乗りたいだけとはいかないが
ある程度満足するまで乗り物に乗せる。
まだまだこの程度で済むのだから
御の字というかありがたいと言うか。

早めに帰ろうとしたが
結局予定よりも1時間遅くなってしまった。
台所では奥さんがクリスマスディナーを作っている。
僕は何もできないので
サラダだけでもとレタスをちぎる。
酒が飲めない夫婦なので
グラスにはシャンメリー
息子は炭酸が辛いと言うのでただのお茶。
娘は全くわかってないので
普段通りの離乳食。

食事も終わり
楽しみにしていたケーキの登場。
わざわざ電気を消して
ケーキにろうそくを立てて火をつける。

暗くしたろうそくにワクワクしたのか
そのちょっとした演出の効果か
息子はケーキを食べる前から目を輝かせている。

ろうそくの火を吹き消させ
ケーキにナイフを入れる。

息子はケーキよりも
暗くしろ!火をつけろ!と
クリスマスを焼き討ちと勘違いしている様子。
暗くして食べるのがクリスマスではない。

ある事情があり
息子は今日始めてケーキを食べる。
特別製のケーキだ。

奥さんが

「普通のケーキは食べられないけど、
 これは魔法のケーキだから
        ○○くんも食べられるよ」

と、説明している。
素晴らしい説明だなと思う。
息子は、『魔法!魔法!』と楽しそうだ。
魔法の意味を知っているかどうかはわからんが。

が、どうやら初めて食べる”魔法”のケーキは
あまり口に合わなかったようだ。
”おいしい!”とは言うが
バクバクと想像していた光景はそこにはない。
半分以上残して

「取って置いて!」

と、食べなくなった。
これも、仕方ない。
でも、これでいいのだと奥さんが言う。
ケーキをあまり好きでない方が
普通のケーキを食べられないことを
悔しく思わないだろうから。

そうかもしれない。

俺は、とてもおいしかったんだけどね…

いつか、一緒に、
”魔法”のかかってないケーキを食べよう。
もしくは、もっとおいしい
”魔法のケーキ”を食べようじゃないか。

明日はクリスマス。
枕元が楽しみだね。

じゃ。