新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

主役。

12月4日
今日の主役は確実に
息子だったと思う。

どう贔屓目に見ても、
どう考えても、
どんなに言われようとも、だ。




今日は息子と娘の通う幼稚園の
発表会の日である。
発表会は二日連続して行われ、
今日はその初日。

スタートである
”はじめのことば”を息子が
観客に向かって大きく叫ぶ。
この部分だけで感涙ものだ。
2月生まれで、
少し周りから遅れを取ることも多かったが、
今、こうして胸を張って
はじめのことばを叫んでいる。

息子の年長さんの出演は
少し後である。


その前に年少さん。
娘の出番である。

しかし、娘に大した心配はしていない。
多分、習った通りに歌も踊りもこなして
問題ない舞台を見せてくれるはず。
そして、その通りに娘はやってくれた。
多少、座る時に股を開きすぎってことはあったが、
うさぎの衣装を着た娘は、
そつなくすべてをこなしてくれた。

歌の途中で手を振る余裕さえ見せてくれた。



そう、こんな余裕は
一昨年、去年の息子には無かった。
2月生まれだからと仕方がない思いでいたが
うちの娘は3月生まれだ。

これは本人の基質によるものだと判断できる。

息子は歌や踊り最中に
あくびはするは、鼻くそはほじるは…
ビデオを見る限りでは、
かなり息子の集中力には問題を感じる。



が、だ。



娘の年少さんの後が
年長さんの劇の発表で、
息子はピーター・パンの海賊役だ。

役は必ず二人一組で担当していて、
同じセリフを二人で同時に言う。
尚且つ、ピーター・パンなんかは
ピーター・パンの1と2がいて
都合4人のピーター・パンと
4人のフック船長がいるのだ。

で、息子の役は海賊の2

セリフは全員で言う一言と、
海賊2だけのセリフ一言の合計ふた言。



これじゃあ、いくらなんでも
今日の主役はうちの息子だ!なんて
思えないし、思わないはずだった。


が、海賊2役のもう一人の子が
新型インフルエンザの疑いがあり欠席!


つまり、海賊2はひとりだけの役となった。
ひとりだけの役は海賊2だけ。

息子だけが海賊2を担当する。

一言だけあるセリフも、
息子だけが大きい声で叫ぶ。
それだけじゃない。
通常二人で担当する役だから
その立ち位置はふたり分のスペースがある。
これが、一人しかいないものだから、
少し、奥に立っていても目立こと目立こと。

そんな中での、一人セリフ。


「フック船長、あちらを見てください!」





しびれました。
カッコ良すぎです。
その後、ミュージカル調に唄って踊った息子。
なんだか踊りの曲が息子の好みだったらしく
軽快に踊ってくれました。

今までが今までだけに
少し涙腺が緩みます。




で、その後、年中さんの出し物があり、
年長さんは最終学年ってこともあり
もう一つ出し物があるのです。

歌とハーモニカと合奏。




この合奏で、
息子は大太鼓を担当。

大太鼓は一個しかありません。
他のピアニカとか木琴とかは
二個以上あるのに、
大太鼓は一個しか無いのです。

また、大太鼓はその音からして
とてつもなく目立ちます。
それを一人で担当です。


息子だけじゃなくて、
見ているこっちの方が緊張します。






ハーモニカは
ずっと最近練習をしていて、
課題曲をクリアするごとにシールをもらうんですが、
夏休みに練習をしないといけないのに
息子は全くやらず…

発表会の1ヶ月前の段階で
発表の課題曲はおろか、
一つもシールを貰っていませんでした。
一個目の課題は ドレミファソラシド なので…
状況的には最悪に近い感じ。

で、僕がそれを知ったのが
運動会のあった10月のこと。
シールを全く貼ってない息子の欄に愕然。

これは、発表会でハーモニカは無理だなと。


で、ダメもとで息子を説得。
仮想敵国を作り、ライバルを作り、
妄想で戦わせることにしました。

それが発表会の3週間くらい前で
シールを貰うのは毎週水曜日のテストだけ。
チャンスは3回しかありませんでした。


ライバル作戦は息子のやる気に火をつけたようで
毎日のように練習をしました。

が、一回目のテストでは
まさかの勘違い。
テストは譜面を見ながらじゃダメ。
譜面を覚えて吹けないといけないらしい。

って、それ、基本的なルールでしょ!




これがかなり悔しかったようで、
次のテストで、3曲を一気に挑戦し2個シールをゲット。
翌週にも2曲テストして2個シールゲット。

ビリだった息子が一気に
中盤の順位に浮上した。



発表会の演奏で吹く曲は
息子がもっとも得意だと豪語する
メリーさんのひつじ。



その後が、合奏。
大太鼓の出番。
曲目はドレミの歌。

バチを持った息子が
リズムにあわせて
タイミングを測っている。

大太鼓がミスったら
かなり恥ずかしい音楽になる。
相当に重要な役どころ。




息子の緊張がカメラを通してわかる。




そして、フレームの中で
完璧なタイミングで打ち鳴らされる大太鼓。






ああ、泣きそうだ俺。






泣かなかったけど。






今日のお前は激しくカッコ良かった。
なにより、他の子のお母さんから、

「○○くん、カッコよかったよ!」

と、お世辞かもしれないけど言われたのが、
とてもとても、とんでもなく嬉しかったのだ。





発表会は二日連続である。




明日も頼むぞ!
長谷家の主役よ!




じゃ!