新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

空港の足湯(鹿児島1)

9月17日

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連日の羽田だ。
いや、連日訪れたかったから来たのだ。
そう、僕はすっかり羽田空港が大好きで
お店も色々あるし、
美味しそうなとこやお土産も沢山あって
空港で働いている人たちは
とっても親切な人が多いし…


ちぇっ。


集合場所でプロデューサーとカメラマンと合流。
さすがにプロデューサーは
言えば逆鱗に触れるかもと思ったのか
昨日の話しは全くしない。

が、カメラマンがすかさず



「ねえ、やっちゃったんだって?」

「何がです?」

「昨日も来ちゃったんでしょ羽田に」

「集合場所の確認に、ちょっと、ロケハンですよ」

でも、まあ、
僕の性格というか仕事の進め方を知っているので
ある意味、とっても心配しているらしかった。
こんな間違いをするタイプとは思われていないらしい。
それはそれで良い。

で、羽田から鹿児島へ飛んだ。

今日、明日と鹿児島ロケなのだ。



鹿児島には小学生の時に
祖父母と行って以来だ。
もちろん、その時の記憶は全く無い。
あるのはフェリーでゲーゲー吐いたことだけ。

で、まあ、ありがたいことに
羽田からだと、
おおよそどこに行くにも1時間から1時間30分で
日本各地に飛んでいける。
非常に便利だ。
鹿児島へも1時間ほどしか掛からない。
でも、飛行機ってのは、
乗る前の色々や降りてからの色々が面倒だ。
むしろそっちの方に時間がかかる。


そんなこんなで鹿児島へ。


すでに頭の中は今日の昼食と夕食で一杯。
途中、高速から市街に降りて…

とか、考えていたけども時間的に無理らしい。
飛行機から降りるなりPが
香盤を見ながらすぐに言ってきた。
何かと言うと、昨晩送ってきた香盤に書いてある、と
このぺら紙が憲法でも書かれているかのように言っている。

無論、香盤は読んでいない。見た程度である。

香盤を書いて欲しいと言ったのは僕だ。
だから、僕が必要かと思っただろうが、違う。
必要なのはあなただ、僕じゃない。
そうやって、一つから二つ前を先を読むのが仕事なのだ。
それをやって欲しいだけ。
僕にメールしたから、僕が香盤を見たから、
僕が全てを理解したなんてことは無いし理解するつもりはない。
そこまで甘えないで欲しい。
自分でやってください。

そんな訳でPが空港からレンタカー屋に向かっている間
喫煙所近くに 足湯 発見する。





「うお!足湯!入っていきましょう!」


カメラマンが喫煙所に向かう。
僕は、当たり前のように靴下を脱いで…

これからすぐにロケだってのに。



でも、タバコを吸ってきたカメラマンも
足湯に加わり、しばしゆったり。
ドン臭いPがレンタカーを借りてくる間
ほっとする。



で、結局昼食は市街には降りられず
サービスエリアで食べることにする。

黒豚ラーメン&カレーセット。

旨いとかまずいとかじゃなくて、
なんというか、まあ、ラーメンだよね、って感じ。

でも、そこで終わらない、帰らないのが俺だ。
SAの入り口で売店のメニューを凝視していたのだ。
だから、昼食を食べ終わるなり、
時間が無いと言う割りに一番ゆっくりしているPに



「あそこの売店でさっき、旨そうなまんじゅうあったんで」



と、勝手に店を出る。
加治木まんじゅうと言うらしい。

温泉まんじゅう系だ。

うん、素朴で旨い。



「あ!かるかん!かるかん!
  そーだ、鹿児島と言えばかるかんじゃないか!!!」


かるかん。

簡単に言えば饅頭的な餅的な…
山芋が練りこまれた、フワッとした食感で、
流行の モチッ とした歯ごたえの
名産お菓子である。

で、 かるかん っていうと
知っている人は多分
饅頭の形で餡子が入った物を想像するだろうが、
本来の かるかん は、
餡子なぞ入っておらず、丸くもなくて、
どちらかと言うとのし餅みたく平べったい形状。
これが本来のかるかんであり
最も旨いかるかんである。

餡子が入っていないので
甘さは控えめである。
ほんのりとした甘さが
フワッモチッっとした食感の後に来る。
山芋が練りこまれたことを伺わせるように
口の中ではトロッと消える…

かるかん の控えめな甘さが名残惜しい…



で、実は、東京で調べておいた。
かるかん のうまいお店を。



取材先への移動中。




「あの、今日でも明日でも、
  どっちかで絶対に行きたい場所があるんです」

「はい?どこですか?」

「かるかんの○○屋というお店です」

「かるかん?」




かるかん を具体的にイメージできなかったカメラマン。
僕がその後、数十分をかけて かるかん が
どれほど美味しくて、僕の心を捉えて離さないかを力説。



「あん入りを買うのは構わないですが、
 必ず、あん無しも買ってみることをお勧めします。
 そっちが本来 かるかん で、そっちの方が美味しいです」

「は、はあ…」











夕食はホテルの和食屋さんで。
カメラマンとPは
地元の焼酎とか飲んで
鹿児島らしさというか、
そんな気分を味わっている。

ちょっと羨ましいけども…
酒飲めないし。

でも、その後、
量が少なかったと全員が言い出し、
歩いて駅前に移動して、
ラーメンを食べる。

鹿児島に来て、
熊本ラーメンを食べる。

なんじゃそれ。

じゃ。