新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

今回のわがまま

7月30日

毎度のことでもあるが、

近々撮影のある企業VPでは

必ずというか、一つだけ、

VPらしからぬといいますか、

予算的にまず削除項目になる部分というか、

ま、そんな演出的な勝手な部分?

を追加させてもらっている。

1本目が撮影日数を通常計算よりも1日多く貰った。

2本目が雨降らし機材を入れてザンザン降らした。

3本目がミニジブと撮影全日に渡る特機。

4本目、5本目は何も無し。

6本目の今回は…

衣装 である。

通常、というか、VPの多くは

出演者の自前衣装に頼っている。

つまり、サラリーマン役の多い役者さんは

それなりにスーツを多く所有していたり

着こなしにも長けている場合が多い。

都合、ヘアメイクに関しても同じで

男性女性関係無くメイクさんの存在は無い。

イコール、役者が現場に着いたら即撮影開始できる。

「おはようございまーす!」

「はいはいどもども、じゃ、そのまま、歩いてきて、

 よーい、はい!」

てな、ことも少なく無い。

それは、それで良い部分もゼロでは無いけども

役者に対する負担は相当なものだと思う。

そんなケアは、これからもされることは無いだろう。

で、それが理由ではないが、

今回は衣装部をお願いすることにしたのだ。

脚本上でも衣装がかなり重要な道具であり

ここの見せ方一つで全体が壊れかねないと

強調する形なのだ。

よくある話しが、

これを製作陣営が読んで

色々と予算にはまるように丸めてくるんだが、

このVPのプロデューサーは、

監督でもある人間であり

脚本で書かれた意図を読み取るし、

無駄か無駄で無いかの判断も的確である。

都合、誰よりも早く

今回のVPに衣装部を投入することを決めたのは

プロデューサーだったのだ。

その発注の仕方や経緯に関しては色々あったが

ここで書く事はしないでおく。

そんな訳で、今日、

衣装部の事務所に赴き

用意された衣装の確認をする。

基本はスーツだが

狙いの物もあって

それなりに時間もかかる。

で、役者の自前ではなく

意図を持って書かれた台本を読んで

意図を持って集められた・用意された衣装は

マッチングしないはずがない。

その意図が大きく違うことが無ければ。

これである一部分に関しては安心した。

が、まだまだ心配はある。

明日になってからやって仕上がる予定だという

撮影に必要な小道具や書類、

ト書きに書かれた部分には無い

特殊な動きに関して想像しうる準備…

そんなこと全てが心配である。

O田氏と夕方に打ち合わせするも

判断するための材料も検討資料もなく…

「明日には間に合うから」

「え?それは当然でしょう、むしろ、明日の段階で見て、

 修正があったらそれを直して確認する時間はあるの?

 僕はそういう心配をして早く、早くと言ってるんだけど。」

「う、うん、大丈夫、大丈夫だよ」

「その大丈夫、更に不安にさせる言い方だね」

「修正もサッと出来るから」

「こないだみたく、現場で直せるレベルならいーけども」

「…うん、だね」

「ま、待ってるよ」

まあ、僕の目線から書くと

準備の遅いO田氏に怒っている風な僕だが、

状況的には、そこまでじゃない。

むしろ、遠まわしに

O田氏の投入が遅いとAPに言っているつもりなのだ。

これだけの準備が必要なVPで1週間ちょい前に

前触れもなく呼ばれて準備をせいというのは

いささか乱暴である。

とはいえ、それを理由にして用意しないわけにもいかない。

後は、O田氏とAPとが協力して一致団結して

(年齢も近いらしいし…つーか、僕がダントツで若い!)

撮影に向けて準備をして欲しい。

準備が遅かったり段取りが悪かったりして

きゃんきゃんと怒るかもしれないけども、

完成したVPが面白くなかったら

きゃんきゃんとつまらねーよ!と言ってください。

それが僕らのやり取りです。

というわけで、明日は撮影直前なこともあり

夜の打ち合わせとか構成案を書かないといけない仕事とか

そんな感じのやつは一切入れていません。

自宅でゆっくりとします。

台本をまた読みながら、

一度作ったカット割を再度壊して作りながら。

実は、裏で僕ではないDirで一本制作されており

僕の作るビデオより前に完成する予定、

これは良くも悪くも比較対象される結果は明らかで

勝ち負けはあると思っていないけど、

クライアントさんの中での部署間では、

それに近いやりとりが必ずあるだろう。

それが痛いというか、重いというか、

我々は戦う相手同士じゃない。

また、内容も経緯も多少なりとも違うので

比較検討はどうしても同じ土俵じゃなくなるはずだ。

うーん、難しいけど

両方とも満足して頂いて、

その上で、

ああ、内容的にこちらもこちらも

ベストな選択をしたんだ我々は。

とクライアントさんが思ってくれれば良い。

正直、それは無いと思うけどね。

じゃ!