新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

海と氷

7月21日
昨日、奥さんがネズミのスケートショーが
今日であることを忘れていたのが主な原因だった。

息子は寝る前に”海に行きたい”と言った。
TV番組のせいでもあるし、
こないだ幼稚園から持ってきた絵本のせいでもある。
息子は砂浜で貝殻探しをやりたいのである。

起きるなり、奥さんが今日の行き先を告げる。

途端にやる気を無くす息子。
やる気をなくしたというよりも
生きる気力ごと無くした感じ。
完全に嫌々ながらスケートに行きます的な
留守番は嫌だから、
その次に嫌なスケートを見ます的な。
我々も、一度言ってしまった、約束してしまったから
なんともばつが悪い。
日頃、約束は守れ!とキツく堅く言っているので
尚更耳が痛いというか、見ていて痛々しい。

「ああ、もう、わかった!
じゃあ、スケートは午後からだから
午前中に海に行こうじゃないか!
一時間くらいかもしれないけどいいか?」

「うん、いい!1時間ね!わかった!」

いや、多分、君は1時間という時間の感覚は無いだろう
夢中であればあるほど、その時間はあっという間に過ぎて行く。

都合、午前中に海、午後からはスケートショーという
ダブルヘッダーを組まざるを得ない状況になった。
まあ、ここ数日忙しかったこともあるし、
これから先も忙しいことが確定しているので、
子どもたちと一日中一緒にいられる今日を
大事にしておくかと。






やはり、行きたかった場所に行った顔と
たいして興味の無い場所に行った顔とでは、
雲泥の差、月とすっぽん、天と地ほどの差があった。
あれほど、海を前にして
笑顔の絶えなかった息子が、
スケートショーを前にして
チラリとも笑顔を見せようとしない。
終始無言、だんまり、仏頂面である。

ただ帰りにカキ氷を買ったらご機嫌回復。

つーか、会場内のカキ氷の値段
1500円だよ、1500円。
そんな金額聞いたことあるかい?
俺はね、今日始めて見たよ1500円のカキ氷ってやつを。
量はね、多分、通常よりも少ない。
シロップは…買ってないからわからないけど
見るからに普通。
ただ、そのカキ氷が入っている容器が
恐らく、1500円という金額のうち
1450円ほどするであろうキャラクターものの容器。

いや、わかっちゃいるけど、頂けない。
つーか、三桁の金額の商品が無い!(多分)

奥さんと二人して、

「自腹でチケット買ってたら、
記念だし、何か買うかと言ったかもしれないけど…
チケットは当選したもので無料だったわけだし、
どうせなら使用した金額は電車賃くらいに…」


って話してた。
だから、もちろん何も買わず。
息子ははなから興味無しだったので
駄々もこねず、どうせなら早く帰りたいモード。
娘が駄々をこねるかと思いきや、
行きも帰りも、途中の休憩中も
全く駄々をこねることなく。

「欲しがりません勝つまでは!」

って感じだ。
まあ、結果的に
午前中は息子は大満足。もちろん娘も楽しがってた。
午後の息子はローテンションで、娘は喜んでいたが、
初めて見る生のスケートショーには
少なからず刺激はあったみたいで、
時折身を乗り出してはいた。





でもね、
帰宅してキン肉マンが始まって…

ブロッケンJrの最期を
真剣に見つめていた。

「超人じゃなくなっちゃったの?」

「ああ、カピラリア光線は超人には有害なんだけど、
 人間には無害なんだ。だから、ブロッケンは超人を捨てた。
              友達のために、友情のためにな」

「そうなんだぁ」

「あ、でも、しかし、最期の最期は超人に戻れたみたいだね」

「うん…」



確実に、キン肉マンは息子の心に刻み込まれている。
毎回、毎回、そのストーリーを心に刻み込んでいる。

この先、どんな性格になっていくのか…
予想もできやしないが、
パパのような薄情な人間じゃなく、
熱い男になってくれればと思う。

じゃ!