新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

問題の山を登る

2月27日
いよいよ、佳境だ。
準備の佳境である。

今日でVP2が終わり
CMの演出コンテ提出があり
VP1の監修者チェックの
フィードバックがある・・・


8時起床。
携帯電話を確認する。
PC宛のメールを転送しているので
急ぎのチェックが無いか確認する。
急ぎが無い様なので
コーヒーを淹れPCを立ち上げる。
結局PCは立ち上げるのだ。

ぼーっとアメスピを燻らし
今日を考える。


予定よりも少し早めに自宅を出る。
最初に待っているのは
VP2の編集チェック
このチェックがOKなら
そのまま完パケとなるのだ。
つまり、完成するという訳だ。

音楽と効果音もつき
先日出した宿題もできている。
ただ、どうしても気になる箇所があった

「眼鏡○本くんさ」

「はい」

「あそこのカットなんだけどね」

「はい」

「もう少し早めに
   テロップ出したいんだけど」

「ぜ、全部ですか?」

「1箇所直すってことは全部だね」

「…はい」

「よろしく」

「小1時間かかりますが、
          
いいですか?

「…ああ、待っているよ」

眼鏡○本君には他にも相当な量の
仕事がありそうだが、
直したいものは直したい。
もっと激しい直しもあったが断念したんだ
ここだけでも直したい。


次の予定までに数時間の空きがあるので
そのまま会社で待つことにする。


新聞なんか久しぶりに読んだりしてると
眼鏡○本君がうろうろ歩いている。
あれ?終わったのかな?
と、編集機を見てみると…

レンダリングでーす。30分はかかります」

「あ、そう、この青い棒がそうか」

「ええ、残り時間35分と出ていますね」

「ああ、出ているな」

「35分お待ちくださーい」

その35分は計算には入っていなかったらしい。
小1時間はとうに過ぎ35分が経過した。
編集機を見てみる。
すると、どうだ、

また、新たに『青い棒』が
      出ているじゃないか!


それも、残り時間35分とかなっているし!


「○本君!また、35分ってなってるよ!」

「パートごとにレンダリングしてるので
   次のパートのレンダリングです!」

「ああ、なるほど…」

って!そんなこと言ってないじゃんか!
パートは全部で5つほどある…
ということは35分×5かよ!
待っているなんて言わなきゃ良かったと思ったが
もう、言ってしまったからには仕方がない。
スポーツ新聞を隅から隅まで読むしかないな。

しかし、あれだね
スポーツ新聞ってのは競馬とか競輪とかの
ギャンブル欄が多いのね。
知ってはいたけども、開催日と重なるとすごい量だね。
俺は、競馬も競輪も競艇もオートもやらないから
なんのことか全くわからないけども…
で、野球も見ないしサッカーも見ない。
トリノオリンピックすら興味無い。
そうすると、読むとこがほとんど無いんだな。
あっという間に読み終えた。

で、どうなの編集機君は?
お!後6分じゃん!




「眼鏡○本君!後6分だよ」

「はい、あと2パートありますから」

「え…あ、あ、あ、そう、そうか。」

すげー、待つ気失せる
レンダリングの無い編集機ってないの?
だいたい、ノンリニアって便利だけどさ
このレンダリングの時間が
もの凄く不毛に思われることがあるよね。
僕はまだVHSで編集をしていた頃に
助手をやっていたので
リニア機のスピードをよく知っている。
確かに、ノンリニアも早いし、
色々できるけど色々できてしまうための弊害も多い。
まあ、今回のVPはノンリニア向きだから
仕方無いと言えば仕方無いのだが。

さて、ファイナルカット
文句を言っても始まらない。
レンダリングを待つ。




レンダリング終わりました!」

「あい」

訂正箇所をチェックする。
問題無し。

「OK。完成。お疲れさん」

「はい。ではこれでコピーとります」

「よろしく」

「次は20時だっけ?」

「はい、20時に○○(場所)です」

「わかった!」

喫茶店でVP1の台本を読む。
監修者から今日中に
訂正台本が送られてくる予定だ

どこをどう、直されるのか…
クライアントにはOKを頂いているので
あんまり直しが多いと厄介だ

直しの直しで差し戻しで…
なんて堂々巡りってこともありうるからね。
撮影はもう数日後だから
今日中にはケリをつけたいところ



20時…
TVCMの演出コンテ提出。
クライアントと直接会い
コンテの説明をする。

30秒はこれこれこーです
15秒になるとこれがこーなって、こうなります。
絵ではこう書いてありますが
こうしたいと考えてます。

とか、とりあえず言いたいことは言っておく。
そうしないと、後で大変なことになるから。
また、クライアントの要望や
口には決してださない希望などを探る。
本心はどう思っているのかだ。
本当にこの企画を気に入っているのか?
気に入っているのはどの部分か?
気に入らないのは、心配なのはどの部分か?

クライアントの絡む仕事にはつき物である。
お金を出す人の要望・意見を最大限聞く。
そして、その答えを捻りだす。
CMには代理店のクリエイティブや営業。
制作会社の制作やプロデューサーが
僕とクライアントの間に入っている。

が、今日は直接話しをする
         数少ないチャンス。


ここを押さえておくことで
今後の仕事もスムースに進むのだ。


尚且つ、通った企画は僕が考えた企画。



話し合いはサクサク進んだ。
勝手な解釈かもしれないが
僕のやりたいことが
クライアントもやりたいことであった。
言い方は悪いが
そうとなればこっちのもの。
準備もサクサクガンガン進められるってもんだ。
 

CM演出第5作目は
     滑らかに進み出した!

『監修者チェックあがりました!』

と親分からメール。
添付には監修者の赤が入った台本があるようだ。
が、携帯なので読むことはできない。

『夜遅めに帰宅するので、
     帰宅後大至急読みます』


すると、すぐに親分から電話がきた。
監修者チェックの感想と直しの程度の話しだ。
どれくらいの分量の直しが入ったか?
どういう意図で直されているか?

携帯電話の電波がいささか悪い状態の場所だったが
おおよそ理解できた。
ざっと見て1時間か2時間あれば直せるだろう。
ただ、読んで無いからわからないが…


全く問題無くCMの打ち合わせを終え帰宅。
すぐにPCを立ち上げメールを確認。
監修者チェック台本に目を通す。


「うっ!なんだこれは!」

思いもよらなかった場所に訂正が入っている。
それも、決して多くは無いが
少なくも無い。

「な、なに!」

文章的におかしな部分が2箇所ある…
これを直すと、直しの直しを確認してもらう…
ていう面倒な段取りが待ち構えている。
すぐに親分に電話する。

「どうも、そのままだと
    おかしい文面があるんですよ!」

「それは、仕方ない。
  直してそれをまたチェックしてもらうよ」

「お願いします」

だが、明日中に渡したいスタッフがいる。
見切り発車かもしれないが、
チェックのチェックを待たずに
お渡しするしかないだろう。
これも仕方ないというもの。


しかし、これでVP1の台本はほぼ完成
あとは演出プランの作成(カット割とか)

VP2は完成したので、もうやることなし

CMはこれからCGの打ち合わせや
音楽打ち合わせと
打ち合わせの目白押しが続く。




まあ、とどのつまり
      後2本の仕事だけだ。



楽勝?


それだけは絶対にない。

じゃ!