新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

史上最大の作戦02

10月17日
雨降らし撮影で
雨天という絶好の条件の中
僕のもやもやは的中していた。

何故、撮影が出来ない
状況に陥ったのか・・・

初日から残を出した我々は
撮影2日目を迎えた。

10月14日
前日に起きた大波乱は
撮影ができないカットがある

ということの判明だった。

ギリギリになった準備と
後手後手にまわった打ち合わせは
撮影当日まで続き、
結局、その場での判断にまで
持ち越されたのだ。

そして、目の前で出された
『撮影不可能』の判断。

いや、不可能というのは
御幣があるかもしれない。
クオリティを守るという
僕らの最低限のルールが
そのような判断を下したのだ。
何が起ころうが、
どんな条件であろうが、
クオリティを下げてまで
撮影をすることはできない。
フリーランスとして生きていくための
守らなければならない
最低限で最大のルール。

そんな状況の中。
今日撮影ができるカットは何があるか?
僕はメインスタッフに
囲まれながら発表する。

「今日、撮影ができるカットは5カットあります」
「難しい撮影は全くありませんが、
午後になると晴れて来るという予報です」
「マキでお願いします!」

遠くの空で雲が割れだした。
やばい、このままじゃ晴れてしまう!
晴れたら撮影が止まってしまう。

「演出部!段取りしてー!」

僕の目の前にカメラカーが到着した。
既にカメラや照明機材が積み込まれている。
僕はカメラカーの助手席に飛び乗った。

「行きましょう!雨!」

ザーッ

「カメラ!」

カラカラカラ・・・

「カメラカースタート!」

ブオンブオンッ!

10人ほどのスタッフが山のようになって
乗り込んだカメラカーが爆音と共に走り出した。

”アドレナリン放出!”