新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

夏の大和魂(7)

8月14日
TV番組の台本書かないとならないのに
全くやる気が起きない。

朝方、プロデューサーからビデオが送られてきたので
それを見てから執筆に入ろうかと思っていた。
でも、まるっきり見る気がおきない。

やばい。

仕事の内容に関わらず
こういう時がたまたまくる。
精神的な問題だろうか・・・

んな訳で、今日は前にも少し書いたけど
横山博人ネット映画講座』の横山さんに会ってきた。
ちまたじゃぁ、オフ会とか言うらしいが。
まあ、そんなこんなで、自分の現状や横山さんの現状
ネット映画講座なるものの目指しているもののお話を聞いてきた。

まだ、具体的なことは言えないんだけど
なんとなく、もしかすると、僕はこれに参加するかもしれない。
参加して映画を学ぼう!とか言うんじゃなくて
『ネット映画講座』というブログや『新・カチンコ日記』というブログを通して
シナリオを作ろう、そして、映画にしようという試み。
つまり、ブログという不特定多数に見られる中で
映画がどのように作られていくか、
いや、どのようにつぶれていくのかも含めて広く公開する。
もちろん、ブログという特性を使い、
コメントなどの意見を反映させていく。
僕と横山さんとのやりとりを公開しながら
『映画講座』のようなことができていければというお話だ。
もっと深く参加したいなら講座に入ってねみたいな。

つまりだ、これは、うまくすると『長谷巌一郎』が
映画監督になる瞬間を公開するということにもなる訳でもある。
全く別の人間が監督になる瞬間かもしれないけどね。

僕にとってはとっても”おいしい”話でもある。
監督とはいかないでも『映画』が動く瞬間から立ち会えることは
そうそう、機会がないと出会えないからなんです。

しかし、まだ迷いはあります。

「何を迷っているんだ!」

うん。おっしゃる通りかもしれない。
でも、まだ迷います。

迷わせてください。

先日のこと。
常日頃から多岐にわたってお世話になっている監督の
村本さん(8月21日公開のMASK DE 41の監督)から
”卒業”を打診された。

J-CMのロケハンが自分の演出作品と重なり
どうしても行けなかった日のこと。
僕は、参加できない詫びのメールを監督にした。

僕のスタンスは
先にスケジュールされた仕事を優先するという
シンプルな考えで予定を立てることが基本。

「自分の演出作とスケジュールが重なり
      どうしてもロケハンに参加できない」

と涙ながらにメールした。

すると、返信されたメールに”卒業”の文字だ。
つまり、演出するなら助監督は卒業した方が良いということ。
それは至極もっともで納得の行く理由。
だが、それに伴い僕は助監督をしないことで
多大なる金銭的ダメージを受けることになる。

ジレンマというか板ばさみというか・・・

演出・監督にはなりたい。
しかし、生活するためにはお金が必要だ。
監督するよりも助監督の方が仕事が多い。
ま、これは当たり前だが、
僕が業界に入りたてだった頃に戻ることに等しい。
なんの信用もない小僧から助監督として認知され
技能を買われて声がかかっていく。
そして、仕事も増えていく。
これが、監督になるとまた振り出しに戻るのだ。
なんの信用もない監督から、認知されるまで何年かかるのか?
認知されないまま、地の底深くうずもれていまうのか?

不安だ。
漠然とではなく。
思いっきり不安。

「助監督の仕事がきたら、断れ」

と言われた。
断れるだろうか?

「いや、僕、もう監督なんで、助監督はできません」

と言えるだろうか?
生まれて6ヶ月の子供を抱えて・・・
ここでの踏ん張りが将来どう影響するのか?

まるでわからない。

内心、「勝手なこと言ってくれるぜ、まったくよー!」と思う。
僕のことを考えてくれてのことだとは思うが、思いたいが、
今はブルー一色だ。
確かに、今月は奇跡的に2本もの演出依頼が来て
ハッピーこの上ないのだけども
助監督卒業って、ちょっとなぁ・・・

CM業界に助監督という地位を築いていきたいと
真剣に思っていたし、今でも築きたいと思っている。
そのために捨石になるかもとも考えていた。

しかし、

演出・監督はしたい。
自分の撮りたいもとを撮りたい欲求は大きい。
助監督している限り、それは無理な話でもある。

恐らく、今年の今月から来月にかけては
僕にとって大きな”岐路”になることは間違いないだろう。

助監督から”助”が取れるのか?
いや、生涯”助監督”を続けるのか?

横山さんとの話も踏まえて
ものすごく悩んでいる。
考えている。

でも、TVの台本は書かないとならない・・・