新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

夏の大和魂(5)

まず、書けなかったので昨日のことから。

8月11日
大エフェクト大会開催を宣言した僕は
少し遅れてイマジカに着いた。

すでに編集機はうなるように働いている。
僕はただエディターの生み出す素敵なエフェクトに

「ああ、いいじゃん」
「もう少しバーンとなる?」
「うん、最高!」

などと指示を出していく。

どんなエフェクトをどこにどう入れるか?
ときには何秒何フレとかと
フレーム単位で指示をだす。

助監督と違い言ったことは
確実に採用される。
採用というより決定なんだ。
責任も重大だけど
面白過ぎる!

12分のビデオなんだが、
ほとんど全編エフェクトが入っている。
編集作業はなかなか終わらない…

終わらないと作業時間にかかってくるコストや
体力的な問題など様々なことが気になってくる。

つまりだ

”試しにやってみて”
”一応これで”
”後で判断”
”どっちにするかなぁ”

と言った状況でも
常に金額のカウントは続いているのだ
どれだけ凝ったことをやろうが全てはタイマー。
迷っている時間も、
飯を食べても、
トイレに行っても…

僕は自分で言うのもなんだが
判断・決断は早い。
だからパキパキ進むはずだった…
いや、パキパキ進んだんだけど
いかんせんエフェクトの数が尋常じゃなかった。

「エフェクトもっと減らそうか?」
「いや、監督のやりたいことを最大限やってください」
「いや、だからどこが最大限なのよ」
「えー、まあ、今日中に終われば」
「…」

僕は開き直ることにした。
あまりお金のことを考えるのはやめよう。
やりたいことやろう。
睡眠不足にならない程度に…

「ここ!火柱追加!」
「もっとズガガガガーンと!」
「スピード上げて!10フレで!」

とガンガン吠えてはない。
一つ一つの作業があるので
実に淡々と進んで行く…

編集を出た僕は
倒れそうなくらいに”眠かった!”

朝8時30分の太陽は眩し過ぎる!

明日はMAだ…

8月12日
15時イマジカ
音楽を仕込みナレーションを吹き込む。

いよいよ完成が近い。

デビューしたての頃から知っているマネージャーに
ナレーターを発注。
金額に見合わないくらい
上手い方が来てくれた。

ナレーションは音楽と同じく、
作品の色をつくる最重要な部分だ。
が、なんの注文もなくサラっと終わった。

「え?もう終わり?」

とプロデューサーに言われたが
”うまい”んだから仕方がない。
ほとんど一発OK。
イメージ通りに仕上がった。

さぁ、後は音楽と効果音だがこれも心配ない。
事前にサンプルを確認していたし。

さ、後は沢山の人が見てくれて楽しんでくれれば…
でも、この映像は
一日しかないイベントでしか
上映されないのだ。

ここで見られますよ!
って公表したいが、
イベントへの入場者はすでに決まっているらしく
公表しても意味はない。

ま、でも、今回の仕事で
僕の力量というか技能というか、
そんなものが代理店さんや
制作会社さんに伝わって、
”また、あいつに!”

と思ってくれれば嬉しい。

明日からCMの準備をしつつ
新たに入ったDirの仕事をする。

もっと!
もっと!

僕に仕事を!