新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

夏の大和魂(4)

8月9日
昨日の21時に東京に到着。
到着するなり、僕は電話をする。

なんと、これから打ち合わせがある。

僕は、演出するVPと助監督するCMの他に
もう一本演出する仕事を引き受けたいたのだ。

帰京してから時間が作れないので
今日の帰宅タイミングで打ち合わせするしかない。
奥さんと息子を残し、ひとり、でっかい荷物を持ち
新宿の喫茶店に。

「あれ、なに、旅行?どこ行ってたの?」
「青森です。友人の結婚式がありましてね」
「へー、大変だね荷物」
「ええ、大変です」
「ははは、じゃあ、これ」

と、大変だと言ったのにもかかわらずにも
更に収録素材を手渡された。

「これ、素材だから、大切に保管して」
「わ、わかってますよ」
「旅行鞄忘れても、これだけは忘れないように」
「どっちも忘れませんから」

と、超重要な素材を預かり自宅へ
明日以降にこのビデオを見て構成台本を書かないとならない。
台本を書くなんて聞いてなかったけど
これも演出としての仕事だ。
がんばろう。
でも、預かった素材はDVテープ。
僕の家ではDVDとVHSしか見られる環境がない。

すげー、困る。

ま、でもなんとかなるだろう。
誰かが持ってるかな。
うーん。

さて、見られないから見ないでおいて
現状抱えている作業にとりかからないと・・・

8月10日
編集用の仕込みをする日。
今回の作品は通常の編集だけでなくて
エフェクトを沢山必要とするものなので
編集前に事前に仕込みといって
背景素材や映像資料を仕込まないとならない。

あー、あんなこと言うんじゃなかった・・・
大変だよエフェクト大会。

そんな仕込みの日の夕方。
オフライン編集の試写があった。
まだまだ駆け出しのDirである僕は
こういう緊張には慣れていない。
自分の作った物を見せるというのは
何か、排泄している時を覗かれるというか、
風呂場を覗かれているような・・・
見せたくないものを見せないとならない感じ。
とは言ってもお客さんのためのビデオだから
言われたことは絶対だ。
直してと言われたらどんな理由があっても直す。

ま、そこでいい意味の喧嘩をするという手もあるが
僕の師匠からの教えというのは
一度全てを飲み込むこと。
飲んだ上で吐き出した物を戦わせる。
飲む前の戦いは無意味。
と、口頭で言われた訳ではないけど
ずっと、一緒にいてこういうことじゃないかなと
自分なりに解釈しています。

でも、大きな直しもなく無事に終了した。

少し、笑いもあり、僕としてはすこぶる嬉しい。

ふう。じゃ、これからまた編集室に戻って
エフェクト大会の開催を宣言しないとならないんで・・・