新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ギャンブル人生その2

7月5日

ギャンブル人生のその1は本家カチンコ日記に掲載!

 

人生はギャンブルだ。

 

常に右か左か、上か下か、丁か半か、偶数か奇数か・・・

生きて戦っていく以上は常に”選択”をするという

ギャンブルの連続だと思う。

 

ただ、普通のギャンブルと違うのは

”勝ち”や”負け”は気の持ちようで

ひっくり返すことができるという点だろう。

 

日記にもちょくちょく書いているが

僕は破天荒な楽天だ。

『負け知らず』とはよく言ったもので

僕は本当に”負け”を知らない。

負けたと思わないから。

 

「そんなのはただの思い込みだ」

「負け惜しみで言ってるんじゃないの?」

 

と言われそうだが、仕方がない。

だって”負け”なんて認めたくないんだもん。

なんで好き好んで”負け”なんて認める訳?

常に勝つ。常勝が全て。

自分の選択に誤りがないという『過剰なまでの自信』

 

それで僕は今まで乗り切ってきた。

 

そう、こんなことがあった・・・

あれは、僕が映画学校を卒業してすぐのこと。

まだ、助監督としては駆け出しで

右も左もよく判らない若造の頃・・・

 

 

ある人材派遣会社からオファーがあった。

 

『香盤表が書けることが条件の制作部か助監督』

 

僕はまだデビューしたてで、

香盤なんか学生時代に少し書いただけで

はっきりいって書いたことがあるなんて

お世辞にもいえる状況ではなかった

 

でも、僕はその仕事を引き受けた

香盤表なんて書いたことないけど・・・

 

だって、書いたことがあるって言わないと

仕事ができないんでしょ?

仕事したいもん。

嘘だってなんだってつくさ。

やる気にになれば、書いたことなくても書ける

 

なんか、勝手にそう思い込んだんだよね

 

そりゃあ、もちろん現場では苦労したさ。

書いたことあるって言ったもんだから

聞くに聞けねーしさ。

もう、自分なりに”こうだろ、こうに違いない!”って感じで

強引に書いたさ。

もう、ひどい香盤をね

 

そしたらさ

監督が僕の香盤を見て

『こいつ、書いたことねーな』って分かったんだろうね

すぐに電話してきてさ

嘘ついたことを責めるわけでもなく

香盤の書き方を丁寧に教えてくれたんだよね

 

非常に勉強になったよ。

 

今でも忘れないし

今、僕が書いている香盤も色々バージョンアップは重ねたけど

その時の教わった様々な項目はしっかりと残ってる。

 

本当にありがたかった。

 

その時の監督にお礼を言いたいけど

もうお亡くなりになってしまっていて

僕のお礼の言葉は宙ぶらりのまんまである

 

話を戻すと

できなかったことでも強引に『できる』

思い込んで引き受けた選択は間違ってなかったね

しかも、その後に僕に多大なる影響を与えて

若造だった僕を根気よく使い続けてくれた恩師に出会えたんだから。

 

恩師というよりも”師匠”だな。

僕の仕事における全ての根本を作ってくれた方

 

「長谷くんがいなければ、撮影しないよ」

「長谷くんの旅行スケジュールをはずして撮影日を組むから」

「長谷くんに全て任すから」

 

もう、数え上げたらキリがないくらいの

お褒めの言葉を頂いた。

特に『長谷くんがいなければ撮影しないよ』の言葉を聞いた時は

嬉しくて嬉しくて涙が溢れてきたくらいでした

 

「師匠、いつまでも長生きしてください」

 

師匠に初めてあった時のことを書こう・・・

 

 

 

 

長くなりそうだから、この話はまた今度ね

じゃ。