7月8日
幼稚園に子供が通っていると
季節の行事にふと気がつくことがある。
先日の母の日はもとより
父の日なんかあることすら忘れていた。
また、幼稚園はどうも仏教系が多く
そこに何ら不満は無いが
仏教行事についても知る機会が増えた。
漢字は忘れたが、
先日はオセガキという行事があったそうだ。
息子が紅白饅頭を持って帰ってきた。
で、7月といえば七夕である。
もうすでに、7月7日といったら
パチンコ屋で出しそうな日
くらいにしか思っていない日であったが、
息子が幼稚園でお願いごとを書いてきたので
そーかー七夕かーと気がつくことになった。
家でも奥さんが色画用紙を用意して
息子にお願いごとを書かせることにした。
これを機会にひらがな位覚えても…
って、全然やる気なし。
ほぼ毎日、50音表を見ながら
あ、い、う、え、お、ってやっているが
子供ってやつは、興味が無いことに関しては
とことん覚えようとしないようで
機関車トーマスの登場機関車は
ちょっとした形だけでわかるのに
ひらがなはちっとも覚える気が無い様子。
で、まあ、仕方が無いので
お願いごとを聞く。
『○○くんねー、スタイダーマンになりたい』
え?スタイダーマン?
いや、スパイダーマンだとしても…
手首からやみくもに糸を出し
プランプラン空中を飛び回るアレ?
『そーかー、○○くんは
スパイダーマンになりたいかー』
『うん、空をねー、ぴゅーっと飛ぶの』
『飛びたいかー』
『うん、飛びたい』
『スパイダーマンになりたいですって書く?』
『うん!スタイダーマンになりたいですって書く!』
って、短冊に見本のひらがなを書いて
見よう見真似でいいから書けと促してみる。
が、字というよりも絵画を思わせるその短冊は
ただの真っ黒なグルグルが書かれたのみ。
『できたー』
『いや、出来てないだろ。
これじゃ、どんな人間も読めないよ。』
『えー、じゃー、○○くん、
トーマスになりたいですって書く』
どこをどうしたら、
『じゃー』ということになるのか分からないが
トーマスになりたいですと書かせてみる。
一人で書かせても多分数日から数年かかる
作業だと思われるので
子供の手を握り、俺が書く。
『トーマスになりたいです。はせ○○』
.
思うに、スパイダーマンになるよりも
トーマスになる方が簡単かもしれない。
スパイダーマンはさすがに
手首から糸を出さないとならないし
本当に出されても困る。
しかし、トーマスならどうだ。
どうだと言われてもアレかもしれないが
短冊に書いたのはトーマスになりたいであって
機関車トーマスになりたいではない。
したがってトーマスになら比較的なりやすいかと。
いや、確かに、戸籍上の
名前を変えることは不可能に近いが、
あだ名や芸名など勝手にトーマスを名乗ることは出来る。
『こんにちは、はせ○○です。
でも、はせトーマスって呼んでください。よろしく』
ってことも十二分に無いことは無い。
なれるといいね。トーマスに。
翌日、息子が幼稚園で書いた
願いごとの短冊を持って帰ってきた。
『でんしゃがほしい』
え?で、でんしゃ?
欲しいの?
どうだろう。
七夕ってクリスマスじゃないよね?
一体、誰がそんなプレゼントをくれるんだい?
一年に一度しか会えない二人が
人の願いごとなんて聞いている暇あるのかな。
でも願わずにはいられない今日この頃。
『早く、映画を撮りたいです。はせげんいちろう』
じゃ!