新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ぶつぶつ

そしてあいつは彼に言い放つのです。
かつて自分がそうであった頃、
もっとも言われたくなかった一言を。

「だから、駄目なんだよお前は」と。

男はプライドが服を着て歩いているような生き物です。
その言葉は地雷ではなくスイッチ。
それは、怒りの、悲しみの、諦めの、絶望の入口。

しかし、そこから這い上がるのが漢、ヒーローです。
彼は握った拳をゆっくりと開き立ち上がります。

「でも、俺は諦めない。絶対に。」

あいつはかつて自分がそうであった頃、
同じように思えただろうか
考えただろうか
彼のように立ち上がれただろうか

今度はあいつが絶望する番である。