新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ベーゴマ大会!

3月31日
川口ベーゴマクラブの会員限定大会。
この日のために息子は
奥さんの実家での休息を切り上げて帰ってきた。

目標は1勝。


恐らく川口のベーゴマレベルは最強だ。
猛者ばかりで百戦錬磨。

ここで1勝するだけでも嬉しい。
前回の大会では、二人とも惨敗だった。
息子は、敗戦でしくしくと泣き出すし
俺はショックのあまり倒れそうになった。


だから目標は1勝。

あわよくばブロック優勝できたらなぁと。
いや、おこがましいね。

で、大会は削りアリのトーナメント戦と
タイムトライアルに団体戦に個人戦と
盛りだくさんの大会。

僕も息子もベーゴマの削りは
始めたばかりなんだけど、
最近、ピカピカベーゴマ教室で
削り方の初歩を学んだので
なんとか旨いことやりました。

で、これが僕が削ったコマ。

Photo

本当は、削り量を少なくして
重さを残した削りにしたかったんですけど
なかなか難しくて。

でも、わりとすぐに軸を出すことに成功しました。

あ、軸を出すというのは…
ベーゴマっていうのは鋳物なので
一個一個同じように見えても
全てが全く違うんです。
流し込まれた鋳鉄が偏っていたり
バリが出ていたりします。

つまり、コマとしての中心がズレています。

たまにズレていないコマもありますが
ほとんどのコマがズレていると言って間違いありません。

しかし、何故、軸を出すのでしょうか?

それは回して見ると良く分かるのですが、
軸が出ているコマと出ていないコマとでは
安定感と回っている時間、力(りき)と言いますが
それが全く違うのです。

軸が出ていないコマはいくら力強く回しても
すぐに止まってしまいます。
反対に軸が出ているコマは、
回っている途中で、停まっているのか?と見えるほど安定し
2分以上回ります。
(軸の出ていないコマは1分くらいです)

旨いひとの削りだと
3分以上回ります。

だから、皆必死になって軸を出します。
軸を探し求めます。

勝利には沢山の条件というか
要件があると思いますが
少なくてもその一つに軸があります。

が、軸が出ていなくても強いコマもあります。
(これだからベーゴマは面白いんですが)



ま、そんな訳で比較的初期の段階で軸が出たので
嬉しいというか感動しました。

もしかるすと、
今回は勝てる!?







トーナメント戦。
僕の初戦の相手は
強豪のKさんという方でした。
名人と呼ばれる方です。

勝てる見込みはゼロに近いです。


僕は練習通り左淵に入れました。
ここから床を中心に向かって下っていき
中央で相手のコマを弾き出す戦法です。
淵から中央までの助走分で
弾く力をアップさせるのです。

が、そんなに理論的にはいきません
それがベーゴマですから。


だから、初めの一本目で
引き分けた時、
単純におもいっきり投げていく正攻法に切り替えました。
俺は正直だから、正直に行こう!と。

するとどうでしょう。

なんと強豪のKさんに勝利したのです。
勝利には2本勝たねばなりませんが
戦績は2対1、ギリギリの勝利です。

もう、嬉しくて嬉しくて泣きそうでした。



その数分後、
僕とは違うブロックで対戦をしていた息子。

すでに一本を先取していました。
後一本で勝利!

相手は大人です。

そして、祈るようにして見守る息子の勝負。

弾き出しではありませんでしたが
力勝負で息子の勝利。

川口ベーゴマクラブでの初勝利。

思わず、抱き合って喜びました。




また、僕はあんまりにも嬉しくて
ちょっと泣きべそを…




そして、僕は二回戦も勝利。

息子は残念ながら…
でも、一回戦を勝った喜びからか
前回のような悔し泣きはしませんでした。

ほっ。

と、僕は三回戦。
後二回勝てばブロック優勝です。



が、とんでもないことが起きました。

二本先取の一本目を
相手の床外しでものにした後、
いよいよあと一本勝利すればという所、
二回連チャンで引き分け…
僕の緊張は極限状態でした。
手の汗でコマは滑りだし、
床と自分との距離感が分からなくなり…

「ちっちのち」というタイミングで投げ入れるのですが
そのタイミングがあわなくなってしまったのです。

あろうことか、
床にコマを投げられず、
その場にコマをポトリと落とす始末…

まるで、身体を縛られているかのようでした。

結果、それで1対1。



次の一本は
ちゃんと投げ入れようとするあまり
力不足のひょろひょろ投げ。

相手は歴戦です。

そんな状態で勝たせてはくれません。

ショック過ぎて泣くに泣けないほどでした。




勝負というものの相手は
結局自分なのだと再認識した日でもありました。



じゃ。