5月9日
恐ろしく暇なので
奥さんに怒られつつ
息子の幼稚園にお迎えに行く。
なんだか最近の(昔からか?)幼稚園は
門扉のところにロックがしてあって
暗証番号を入れないと入れない仕組み。
14時のお迎えの時間に少し早く着いてしまい
案の定、門扉は開いていない。
娘を抱っこしているから良いが
これが俺一人で迎えに来ていたら
きっと、多分、かなり疑わしいと
思われるに違いない。
平日の昼間にヒゲ面のおっさん。
初めは面倒だったが
娘を連れて出て正解だった。
つーか、子供を連れている状態だと
人はかなり無条件に安心というか
無難というか疑いの念を抱かない場合が多い。
いや、抱かれたら非常に困るのだが
いらぬ心配をしなくて良いので
大変でも娘連れで良かったと。
で、幼稚園に入り
出入り口のとこで
他のお母さんたちと一緒に息子を待つ。
幼稚園の先生が
迎えの親の顔を見て
子供を呼びつけるのだが…
「あ、あの…」
「え?ああ、○○の父です」
「あ、はい!○○くーん!」
非常に考えてのことだろう。
俺の顔を見て、
こいつは一体誰の親か?
この顔に似ている子供は…と
ほんの数秒の間に
ものすごく考えただろう。
で、結局は
『あんた誰?』
ってことになる。
いやいや、そんなに似ていないかなぁ?
似ていると思うんだけども。
それとも、わかっているけども
間違ったら大事だと思ったのかしら?
いや、いつも母親が来ると
先生が子供のことを話したりするんだけども
今日は、素直に息子が幼稚園を出たことと
(毎回、息子は幼稚園で遊ぶ!と行って
14時終わりでも14時30分とか15時まで粘る)
もあり、そんな会話はなく…
「おい、今日は何して遊んだんだ?」
「○○くんねー、覚えてないんだよー」
「嘘つけ、お絵かきした?」
「したよー」
「覚えてるんじゃねーか。他には?」
「うん、覚えてないんだよー」
「…、お弁当は?全部食べた?」
「全部食べたよー」
「おー、すごいじゃん。りんごも食べた?」
「あー、りんごは残しちゃった」
「なんだ、全部食べたんじゃないじゃんか」
「そーだよー、少し残したよ、○○くん」
「そーかー、ま、しょうがないな」
「うん、しょうがないね」
「自分で言うな」
「そだね!あ!アリんこ!」
息子は今、暖かくなって出てきた
アリんこを発見するのがブームらしい。
俺に似て、大の虫嫌いなんだが
歩いていてアリを見つけるたびに
「あ!アリんこ!」
と触るでもなく、近づくでもなく、眺めている。
今日も幼稚園を出る際
壁を伝うアリを見つけて大興奮。
それも、アリが餌となるだろう芋虫を
えっちらおっちらと持ち上げていたから
その姿にいたく感動したらしくて
そこから一歩も動かない。
「すごいねー、芋虫運んでるよぉー」
「そうだねー。お家に持って帰るんだね」
「うーん。お家はどこかなぁー」
「この穴じゃない?」
「このハナ(穴)かなぁー」
アリんこは自分の数倍ある芋虫を
垂直の壁伝いに運ぼうとしていて
巣穴に戻るまでを観察していたら
これは恐らく、夕方ないし夜までかかると判断。
「行こうよ。アリさん一生懸命がんばってるから」
「うん」
よく分からないが、一生懸命がんばっているから
ウチに帰るという言葉でなんとかなった。
覚えてないくせに
帰宅途中は幼稚園での話しばかりだ。
「○○くんがねー」
「お絵かきでねーおおっきな丸を描いた!」
幼稚園はとても楽しそうである。
自分は全くといっていいほどに
記憶が消し飛んでいるのだが、
こんなにも楽しいものだったのだろうか?
少し羨ましくないか?
じゃ!