新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

多分、駄文。長文、なにぶん。

4月23日
映画の脚本が送られてきた。
企画書と簡単なスケジュールのメモと一緒に。

僕は、この脚本を読んで決めなければならない。
この映画に参加するのかしないのかを。
通常なら、話しを聞いた段階で
スケジュールさえ合えば即参加というのが
本当なのだろうが、
一番最初にチーフをした際に
『脚本を読んで自分が参加すれべきか考えたい』と
言って参加したのが発端で・・・
今回もなんの因果か
同じ方法で参加を決めることになった。

本当のところ
内容も知らないで引き受けられるほど
僕には映画の経験がないし
経験不足のせいで内容にヒビが入るのが嫌なのだ。


いや、本当の本当のところは
脚本を読んでその現場がどのくらい大変か知りたいのだ。



どうせやるなら面白い映画がいいし
同じ仕事なら楽しくて楽な現場がいい。
だからこその脚本を読んでからの結論なのだ。





さて、今回の映画は・・・
内容など具体的なことは
まだ明かすことはできませんが
ちょっとした感動ハートフルストーリーって感じです。
で、僕はこの作品に参加するのか?
すでに脚本が届いて2日経っています。
明日くらいには返事をしないとなりません。
映画に参加するのなら
かなり体力的に本気にならないとなりません。
それに、どうやら地方ロケ作品です。
家に帰れません。

そのことも含めて考えて結論を出さないといけません。

もの凄く悩んでいます。



だいぶ前に僕は、
悩みとは
『悩んでいる最中に実はある程度の結論が出ている』と
考えいました。
本当はこうしたい、こうなりたいという結論があるのに
別な案件のために悩みという状態になっているのだと。

しかし、今回はその結論が少しぼやけています。
そのぼやけはまさに『不安』というもので
ぼやかされているのです。


今の僕はいわゆる『待ち』の状態です。
仕事の依頼が来るのを待っているのです。
で、その待っている仕事というのは
助監督ではなく、『監督』の仕事です。
先日送った作品集から
仕事の依頼が来るかもしれないと
密かに虎視眈々と狙っているのです。
しかし、まだ電話は鳴りません。
このままずーっと鳴らないかもしれないと
『不安』になる時もあります。
そこを『耐える』時期だと言う方もいます。

ええ、このまま電話が鳴らなければ
僕も『耐える』という選択をしたでしょうし
せざるを得ません。

が、電話は鳴ったのです。
映画の助監督チーフとして。



当初からCMと映画を区別して考えると
決めていましたが
こうしていざ連絡が来ると悩んでしまいます。
僕は映画とCMとで
別々のキャリアを積んでしまっているのです。
映画だけ、CMだけなら
「監督だから僕」で断ってしまうのでしょう
また、どちらの業界でも『助監督』であったなら
即決で引き受けるでしょう。


もし映画を引き受けて
その拘束期間中にCMの依頼がきて
後悔するようならその結論は失敗です。

もし、引き受けずにいて
その映画の完成を見て
参加すれば良かったと思うようなら
その結論は失敗です。

どちらにするにしても
『本気』で結論を出さないと
なりません。
後悔先に立たずと言いますが
後悔しそうな雰囲気は事前にわかるはずです。
そこを見極めないとなりません。


何かを基点にして考えるのがベストなのですが
その『基点』をどこにするかを悩んでいるのです。




自分を基点にするのか?
それは『夢』か『現実』かもしくは『プライド』か

家族か?
それは『金銭』か『和』か


いささか、問題ありです。
こんなことを書いて
誰かに意見を聞きたいと
思っている訳ではありません。
答えは自分で出します。
誰の意見も必要ありません。


× × × × ×

24日になったばかりの深夜0時すぎ
村本さんから電話がきた。
知り合いのスタイリストさんのお宅にいるのだが
どうもパソコンの調子が悪いらしい。

『起きてる?パソコン詳しいよね?電話していい?』
な感じのメールがきた。
もちろん起きていたので
『どうしたんすか?』と返信すると
10秒ほどですぐに電話がくる。

「○○さんのパソコンの入力が
 かな入力になってしまって、
 ローマ字入力にならないんだ。
 なんとかして」

相変わらずの注文だ。
過去にこの手の注文であったのは
『パソコンを買うのでお勧め機種を教えて』
『パソコンを買ったのでセットアップをして
 無線LANを構築してくれ』
『ウィルス対策ソフトは必要か?』
『○○について検索してプリントアウトして』
『ボイスワープの使い方を教えて』
などなどだ。
パソコンに限らず機械関係に関して
困ったことがあるとよくメールが来るのだ。
まあ、別に迷惑な話ではないし
ついでに仕事の話し貰ったり
伺った際に服や靴貰ったりしてるので
チャラというかこちらが儲かっているくらいだ。

てなことで
写メールや自分のパソコンを駆使しながら
電話先でうまくいくように
一つ一つ説明しながら電話する。
そして見事に解決する。

スタイリストさんから
「ありがとう!」と電話きてすぐに

『実は悲しいお知らせがあるんだ』と
村本さんからすぐメール。

『どうしたんすか?』とメールすると
5秒で電話が来る。



「実はね、ハセくん・・・」





その内容は驚愕に値するというか
耳を疑うような話しであった。
例によって話すことはできないが、
映像業界の闇というか問題というか
結局世の中は金額の大小で物事が動くというか
そんな大人な事情というか政治的な事情というか

人の気持ちは金で左右させることができるのだ。

わからん事情でもないが、
人間と人間のつながりに
疑問を感じたそうだ村本さんは。


確かに、そうだ。
つながりは金で切ることも
つなげることもできるのだ。
恐ろしいことだ。



少なからず、この件に関しては
僕も最初の段階から知っていたので
ショックといえばショックだ。
しかし、なぜか予感というか予兆めいたことがあった。
実は、その企画のメールを
つい最近読み直したとこだった。
感想を書いてメールしないと
と思っていたとこだった。
なぜか、急に思い出して
メールを読み返したのだ。

良い予兆ではなかったのが残念でならない。




が、しかし、ごねごね言っていても
次には進まない。
相当な期間を落ち込んで過ごすだろうが
村本さん、気を確かに持ってください。
まつみのさん、気を落とさずに・・・



リベンジの機会はきっときます。




× × × × ×


で、今日、ライターの百瀬からメールがきた。

『暇ならカッツの現場のエキストラやんない?』

え?エキストラ?
動かすんじゃなくて、
出るの?



う~ん、


う~~ん、



やる。



動かされてみたい・・・

ちょっと楽しみ。
段取り悪かったら帰っちゃうからね、カッツ君!


じゃ!