新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

帰京!(振り返りあり)

第一部
9月30日
10時にホテルロビー集合だったから
ゆっくりと9時30分くらいまで
寝ていようと思っていたのだが
ガバッと起きたら7時だった。
やはり、ここ数日の早起きで
身体が早起き体質になっているのだろうか。
もったいないから、もう一度寝ることにする。

で、起きたら9時。

まだ1時間あったが
ホテルで朝食でも食べようと
完全に起きる事にした。
全く昨日と同じメニューの朝食だったが
食べないとお腹がすくので
昨日と同じ品を同じ置き方でトレーに置いてみる。
味だって昨日と同じだ。
今日もそのまま撮影が
あるかのような感覚になってくる。
いやだ、いやだ。
ほんの1品だけでも変化があったら素敵なのにね。

ま、そういう訳で今日は帰京するだけの日なので
他のスタッフも勢いめいた形相はなく
朗らかな表情でロビーに集合する。
格好も臨戦状態の格好でない。
なんだか昨日までの喧騒が嘘のようだ。

そんな和やかな雰囲気の中、空港へ向かう。

車内でも撮影中にあった出来事などの
馬鹿話しばかりで
当日だったら全く笑えない話ばかりだ。
撮影が終わったからこそ笑える話し。
スタンドインした○○君の姿が
ニンジャタートルそっくりだとか
あいつのシーバーの使い方はなっとらんとか
まあ、様々あって30分の移動中は
そんな話しばかりで盛り上がった。

約2時間で東京羽田空港に到着。
新しくできた第二ターミナル。

帰京。

暫くは身体を休めることにする。
日記も休むかもしれない。

そういうことで。

じゃ!

PS
昨日のことだが
一晩寝たらあの嫌な気分はどこにもなく
実にすがすがしい気分でした。
毎日、その日の気分で日記を書いておりますが
思うことが全然違くて本当に面白いですね。
みんなも日記を書くといいよ。

と、まとめたところで。

第二部。(思い出し日記)
9月某日
振り返ると誰もいなかった。
いや、正確に言えば
俺の味方は誰もこの現場にいない。
紆余曲折の中で参加した今回の撮影。
こんなことは始めから想像していた。
毎回どんなプロダクションに行っても
どんな制作部とタッグを組まされても
結果としては見えている。
それは、撮影の無事な終了。

それが、俺に課せられた任務でもある。

どんな状況や境遇でも
常に満足のいく結果を出す。
全力で手伝うと言った人間が
全くその言動を無視したとしても。
数少ない味方を探し
数多い試練を撃破していく。
これが仕事だ。
逃げ道は無い。

俺はただ、ただ、大声を張り上げる。
現場を進めるために。

9月某日
とことんキリキリマイしている。
先行しても、後発部隊は存在しなく
全てが終わってから自らが後発隊となり
現場に戻り事後処理を施す。
いくら、「あとワンカットだから先にバラシ進めて!」と
シーバーで叫んでも
そのシーバーを持っているのは
たったの3人しかいなく
そのうち2人は現場にいて
うち1人が現場の外にいるが
たった一人では先発と後発を処理できない。

つまりは、キリキリマイである。

俺の足の裏もキリキリと痛む。
突き刺すような痛み。
でも、どんなに痛くても涙は出ないが
息子の留守電には涙する。
おじさんになると涙もろい。

9月某日
本隊をホテルに残し
別班として現場に出る。
ほんの少し余裕があるはずだったが
やはり現場は現場だ。
その少しの余裕もかき消される。

今日は本当に俺一人しかいない。

だけど、一人で全てを仕切る方が
なによりも楽だ。
身体はキツイが
仕切りの全権を持つことは
心の平穏を取り戻すことができる。

やはり、この仕事は天職かもしれない。

最後のバラシでは
覚悟はしていたが・・・
アテにならない奴は最後までアテにならない。
出来ない奴は
一生なにをやっても出来ない奴なんだと
改めて考える。
それをいちいち怒ったりしても
自分が悲しいだけで
なんの意味もない。
俺はフリーランス
会社員を鍛えても
何の特にもなりはしない。
逆に鍛えることは
イコール自分の仕事を
減らすことになりかねない。

・・・いや、減らないな。

だって、出来ない奴は一生出来ないんだから。

総評。
アテになるのは自分だけ。
人をアテにするくらいなら
自分の力を信じるべし。