新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ずんどこべろんちょ

8月22日(後日追記分)
撮影初日。
朝、ホテルを出ると真っ黒な雲に覆われた空。
台風が上陸しようって時だ
こんな空だって充分ありえる。
だが、すでに事は動き出しているのだ。
先発したスタッフは準備を始めていることなんだ。

俺は、一人ロケバスに飛び乗りホテルを後にした・・・
その後に訪れた最も最悪な結末を知らずに。

× × × × ×

スタンバイは出来上がりつつあった。
メインスタッフを待つ10数分の間。
俺は空を見上げる。
通常の曇天と違い、雲が黒い。
コレは俗に言う雨雲ってやつだ。

俺は恐れおののいた。
今日は、やばい。
でも、やるしかない。

メインスタッフを乗せたロケバスは
降りしきる雨の中到着した。
バスのドアを開けるまでもなく
車内の監督やカメラマンの笑顔が見える。

笑顔・・・いや、苦笑といったとこか。

ドアを開けるなり俺は言った。

「この小雨が止んだら撮影やりましょう!」

すでに傘無しでは、歩行すら困難なほどの雨は
撮影現場をぬかるみに変え
準備を大幅に遅らせ、
スタッフのやる気をそいでいた。

もう、心の中では
『撮影中止』の文字が点滅していた・・・

「昼過ぎには止むから」

無責任な笑顔のコーディネータが俺に言う。

「昼には晴れるから」

「さっきは9時過ぎには晴れるって言ってませんでした?」

「うんそう、予報ではそうなのよ」

片手には携帯電話。
天気予報サイト(一ヶ月100円ってやつ)の
予報の文字をそのまんま俺に読んで聞かせる。

「あの!携帯貸してください。自分で読みますから」

ほんの10分ほどで天気予報は
雨だったり曇りだったりと予報を変える。
これでは、こちらも予想が立たない。
すでに、時間は10時を過ぎようとしている。
もう撮影を始めないと
全てのカットを撮りきることができない時間だ。

雨は小雨になったり、曇ったりとはっきりしない。
スタッフも全く動けないでいる状況だ。

幾度となく雨に見舞われ、
幾度となく天候不順に悩まされたが・・・
今回ばかりは『待つ』という選択は無さそうだ・・・

× × × × ×

深夜12時15分。

疲れた!
眠い!
寝る!

じゃ!

何があったのか?
何が疲れを倍増させたのか?
ここでは書けません、書きません・・・