新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

カッツ君の災難

12月8日
あんまりにも暇なんで、今日はもう一度日記を書く。

さて、今日は夜にオフラインを
リニア(テープ)への吐き出しがあるものの
取材の電話を方々にかけねばならず
あんまり好きじゃないが
制作会社に出社した。

先日、露払いで電話したせいか
どこの会社も何事もなく取材OKが取れる。
先方も取材されて損がないので
逆にありがたく思われてしまい
いつもの

「撮影?帰れ、帰ってくれ!」

ってな調子じゃなくて
なんか肩透かしな感じだ。
全てが万事こんな感じであったので
数時間で取材電話は終了。
さて、後はオフラインの吐き出しを待つだけだ。

と、ふと、PCを開きメールを見た。

”ナレーション原稿について”

”うっ、親分からだ・・・”

内容はこうだ。
ナレーション原稿はもっと丁寧に書け!
様式が全く違う!
映像を直さないと駄目だ!

え?映像を直す?
直すっつたって、
まだ、オフラインマシンはカッツ君が持っているし
昨日言った直しは、やったよ!
それを見る前に直しですか、親分!

「あ、親分ですか?今日ってこちらに来られるんですか?」

「いや、行かないけど」

「あ、じゃあ、オフラインは確認されないんですね?」

「うん、明日の試写の時でいいよ」

「あー、じゃあ、ナレーションの直しは」

「それは、やっておいて」

「え、ええ。でも尺が合わなくて・・・」

「よく考えたんだけど、ナレーションにあわせて編集しておいてよ」

「うっ!は、はい」

ずっこり、ばっさりと直さないとならん。
うー、早く直したい!
でも、マシンはカッツだ。

「あ、カッツ君?何時くらいになりそう?」

「え、予定通りだけど、20時かなぁ」

「あー、うー」

「ん、どうしたの?」

「いや、ナレーションに直しが出てさ、オフラインもいじりたいんだけど」

「あー」

「早く来て」

「うーん」

「頼むよ」

「いやぁ・・・」

カッツくーーーーん!
そんな弱気でどうするんだ!
もっと、パキッっといこうぜ!

「じゃあ、19時くらいには行くよ」

「うーん。仕方がない。よろしく」

チィ、1時間しか早まらない。
こうなりゃ、別なことして時間をつぶそう。
だって、まだ17時だもん。
よし、フリップ原稿を直そう。
パワーポイントON!
フォトショップON!
ガーリガリガリガリガリ・・・・・

 
  
  
ふう。終わったぜ。何時だ?
お、18:50じゃん!
もうすぐだな。

プルルルルル

「はい」

「ごめん。今出た」

「え?マジ?」

「うん、家を出る時に急にマシンからデータが消えて・・・」

「あー、もう、いいよ。ダッシュできて!」

「う、うん、本当ごめん」

なんだよ、なんだよ、なんだよ!
1時間空いちゃったよ!もー!

 
 
てな訳で、今こうして日記を書いているわけだ。
あ、でもさ、僕の都合なのにね
カッツ君は優男だから
前々からの予定通りなのに
申し訳なさそうにしてたね。
うん、これが受難ってやつだね。
つーか、家を出る時にデータが消えるなんて
本当に災難だよね。
 
大体、カッツ君は災難を連れて歩いてくるっていうか
災難が好きなのか、災難から好かれているのか
こういう状態がやたらと多い。
先日のオフライン試写の日程をずらしたのも
僕の撮影を手伝っていて作業が進まなかったからだし
今回も別件のロケハンと直しが重なっていたからだ。
どうして、ロケハンをこの日にしたのかは甚だ疑問だが
どうしてか、こと時間とかスケジュールに関しての
災難がカッツ君には付きまとう。
普段でもそうで
だいぶ前に劇団をやっていた頃、
集合時間になっても来ないカッツ君に電話をしたら
今、たった今、この電話で起きたにも関わらず

「今、出た」

とか

どう考えても1時間はゆうにかかる場所なのに

「あと30分くらいでつく」

とか
わざとなのか、嘘つきなのか、時間が読めないのか、
時間の概念がないのか!といった具合である。
今もすでに19時50分に到着すると言う話だったのに
すでに時間は19時55分である。
5分ならいいか?
いや、僕らの仕事はその5分がすごく大事であるのだ!