新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

天気の馬鹿(3)

8月25日
昨日あんまりにも疲れていて何にも書けなかったからまず…
 

8月24日17時30分。
100名近いスタッフ全員が雲に隠れた太陽を見つめていた。

太陽が出なければ撮影はできない。

1時間ほどしかない夕日の刻
カット数を考えると17時45分がデッドライン。
すでに待つことが得策かどうかの話しが交わされ始めた。
俳優部もスタンバイ状態で雲が切れるのを祈る。

撮影チーフは太陽から全く目を離さないで
いつ訪れる撮影の刻を睨んでいる。
今日撮影できなければ明日がある。
しかし、ここまでスタンバイしての延期はメンタルなダメージを確実に残す。

”撮りたい、どうしても撮りたい!”

技術的には撮ることは、いくらでも出来る。
でも、それでは全く意味がないんだ!

”顔出せ太陽!”

17時45分。
デッドラインが来た。
皆、分かっているのだが誰ひとりとして動かない。

全てのスタッフが”撮りたい”んだ。

”割れろ雲!素晴らしい表情を見せてくれ!”

17時50分。
撮影チーフが叫んだ。

「来る!スタンバイお願いします!」
「スタンバーイ!撮影するよぉー!」

デッドラインを越えてからの撮影だ。
厳しいのは分かっている
でもやる。やれる!

新JCMのシリーズは今まで数多くの”無理難題”をクリアしてきたチームなんだ。
気心知れたスタッフでお互いが絶対的な信頼で結び付いている。

”撮れる!撮れるぞー!”

コマーシャルである以上、作品はお客さんのもので、お客さんの広告である。
でも、今、それを考えているスタッフは誰もいないんじゃないか?

目の前の素敵な芝居を素敵な景色で撮りたい

もう、それしか頭にない…

あの八丈島の奇跡を彷彿とさせる夕日。
僕らは気分よく、予定の全てを撮り終えた…

「おつかっしたー!明日は予定を2H繰下げてスタートします!」

現場は楽しい!最高だ!

8月25日7時30分
2時間繰下げての集合なので非常に楽。
他のスタッフは現地に宿泊しているので
もっと楽してるだろう。
昨日の撮影を考えると充分ではないが休息は取れたと思う。

今、僕はロケバスの中で日記を書いている。
後、数十分で現場だ!

ワクワクして仕方がない!