新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ヤマダコーヘイ(仮名)へ。

1月21日
とある制作会社の
とある制作部の山田くん(仮名)への

贈る言葉であり、説教であり、応援。


何年前だったか?君と初めて会ったのは。
奥さんの大学の後輩でありながら、
奥さんと同じ年齢だったっけかな。
少し思い出すと懐かしいやらだな。

ちょうど、Rという会社で
制作助監督をしていた俺の下に
アシスタントとしてついてくれたのが最初か?
それとも、R社の過去映像整理整頓アルバイトが先か?
まあ、今となってはどちらが先でも
問題は無いことなんだけどな。

それから学生の間中、
ことあるごとに制作助監督の
バイトをやってもらったな。
映画研究部だってこともあったが、
他にバイトしてくれた連中よりも
山田くんが一番やる気があって、
二番目に優秀だった。

何より、一番礼儀正しかったのが山田だ。

現状、僕が直接会社に出向いて
就職を世話したのは山田だけ。
その時、会社の方に「どんな子?」と聞かれ

「仕事は当たり前ですが、まだまだです。
 ですが、何より礼儀正しい奴で、気持ちの良い奴です」




君が今の会社を辞めるというメールを読んだ時
文面にこういうのがあったな、

”能無し大学生を拾っていただいて…”

君は能無しなんかじゃなかったし
今も能があるからこそ、
自分で考えて、自分で結論を見つけたのだろう。
流されることが悪いことではないが、
それが違うと思ったのなら、
多分、それが正解なのだと思う。
君への問題は、君だけしか答えを持っていない。
決して他人の答えを当てにしてはいけない。
例えば、他人の出した結論・答えで
成功したら、本当に嬉しいか?心底喜べるか?
逆に失敗したら、人のせいにしないでいられるか?
それを納得して受け入れられるか?

そうじゃないなら、
大変だけど、自分で答えを出すしかない。

だから、山田くんが、
辞めるという答えを出したなら
それが正解なんだと、俺は思う。
今まで、この件に関してはいろいろ言ったが
色々言われて、結果、自分で出した答えなのだから
それは素晴らしい答えだと思うし、
今後何十年経っても後悔しない結論だと思う。

信じる道を進んで欲しい。

君は信じる道が無いかもしれませんと書いてきたが、
そんなこては無いはずだ。

あるよ、君には。

無いのは、気が付いていないだけだ。
今まで、何も感じずに生きてきた訳じゃないだろう?
好きだったり、嫌いだったり、重かったり、軽かったり、
情けなかったり、誇らしかったり、色々感じただろう?
きっとそれらの中にあるはずだ。

いや、ある。

ものすごく沢山の”好き”の中に、
単位を知らないくらい大きな数字ほどある”嫌い”の中に、

それはある。

一生かかって”それ”を見つける人だっている。
見つからなくとも、見るけようとする行為を
”生きる”ことと定義する人もいる。

つまり、何かを感じて(生きて)行け!


もう、13年だか14年だかフリーでやってると
何人も業界を辞めていった奴らを見た。
メールや手紙、相談も聞いたし忠告もしてきた。

で、最後に必ず ”まあ、がんばれ” と
言ってきた、書いてきた。

”まあ、がんばれ”の まあ には
力を抜いていけという意味を含めている。
同時に、結局は僕は君の人生には関与しないという
暗黙の距離を示唆してもいる。

”がんばれ”は文字通りだ。
テキトーにやれと書く理由が無いからな。


自分をもっと信じろ
何よりも自分の幸せを願え
守るべき人を守る最善と策を打て
闘うことを恐れるな


書こうと思えば”まあ、がんばれ”以外にも
いくつでも言葉はあるし書くこともできる。
何故なら、何の責任も無いから。

だから、あえて、
山田には何の言葉も贈らない。
いつでも、相談してこい。
俺の意見で良いならいつだって言ってやる。
聞くたびに答えは違うがな。

それも、俺に責任が無いからな。

でも、他と同じじゃない。
それだけは書いて残しておく。



何かあったら、
ブログに書いてくれたじゃないッスか!と言え。





長くなっちまった。
山田よ、お疲れ!またな!





じゃ!