新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

蓋を開ければ地獄の淵

12月13日
久しぶりの仕事に
ある種の昂揚感を覚えながら
にやける顔を抑えながら
会社へ向かう。

が、話しを聞いてみれば…

通常の撮影プランでは
全く歯が立たないほど
入り組んだ内容であった。
撮影前に全ての段取りを決め
更に現場で臨機応変に変わる数値を
計算しながら進めていかなければならない。

前日、この仕事を振ってくれた方が
僕のスケジュールが取れるや否や
『やったー!』と大人げない反応をした意味が分かった。
嬉しいとか楽しいとかの反応ではない。
『解放』されたことへの喜びだったのだ。

僕が現場に入ることで
山ほどある精密で厳密な計算や
シビアで面倒なフレーム内の心配を
する必要が無くなったのだ。
経験値があり過ぎると
時に職能以外の職務を任されることが多々あるが
この方がそうで
打ち合わせ最中に、
その危険を察知したのだろう。

そんな危険な職務を
僕に振ってくれたことは
感謝に余りある。

完璧に仕切ってやる!

と、帰り道、
営業をしに別の会社へ。
打てる手は打っておく。

この先に
休む間もないトンネルを求めて…

CM、映画、TV、VP、ショートフィルム…
あらゆる可能性を捜し打つ。
監督、助監督、演出、演出助手…
なんだって構わない。
なりふり構わない。

でも、アレだけは完遂させたい。

ね?〇〇さん!

じゃ!