新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

一夜明けて

2月19日
クランクアップから一日が経った。
あの激動の撮影の日々は終わり
ただ静かに、たたずむ宿泊ホテル。

あの喧騒と怒号は消え
本来の静かなホテルに戻ったようだ。

僕は、スタッフとは別便で
バラシ関係の都合もあり
本日帰京組から遅れての出発となっている。
そもそも、制作部と演出部の入りと出は
飛行機ではなく車両と決まっており
僕の帰京も他聞にもれない。



早く終わってくれと
何度もも願っていたが
こうして、撮影が無事に事故もなく終わり
帰京するスタッフを見送ると
感慨深いものがある。

「それじゃあ、また!」

と言ってはみたものの
実際にまた会う機会があるかどうかは
全く不明だ。
今後一切会うことが無い可能性もある。

それが、フリーのスタッフというもの。

二度と会いたくない!と思ったスタッフほど
何度も何度も現場で一緒だったり
また会いたいなと思うスタッフほど
1年、3年、5年も間が開いてしまったりする。
今回はどうであろうか?

しかし、この映画に関わったという事実は
変えることも曲げることも出来ない現実。
大変だったし、苦労したし、
楽しかったし、大笑いもした。

いや、感傷にふけっているわけではない。



すでに10年以上も
この根無し草な仕事をしているのだ。
なーんのこたぁない。

ただ、少し久留米を離れるのが
寂しくなったのかもしれない。

8ヶ月。

フルに8ヶ月居たわけではないが
思いは常に久留米や草野にあったわけで…
スタッフの中には
何度も久留米に来る奴もいるかもしれない。
逆にもう二度と久留米に
来ることがない奴もいるだろう。



あの暑い夏。

生暖かい冬。




差し入れで頂いた冷凍柿やいちご。
炊き出しで頂いた馬刺しやだご汁。
朝早くから、夜遅くまで参加してくれた
エキストラさんたち。
いきなり訪れて
畑を撮影させろと言われて
快く貸してくれた農家の方々。
チケットを買ってくれた方々。
協賛してくれた企業さん。

無料で、こちらの都合で
何人ものエキストラを集めてくれた
K月さん、U野さん、S木さん、
K山さん、N村さん・・・・
書ききれないほどの方々。



愛想笑いもできず
憎まれ口ばかり叩き
必ず一言多い僕ですが
皆々様のご協力に感謝しています。



我々にとっては仕事でも
皆様方は有志、勇姿、雄志でした。
面と向かっては言えません。



ありがとうございました!






近々撮影日記UPします。
少しづつだと思いますが。