新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

異端児

2月11日
忙しい。
めっぽう忙しいこの時期に
俺は静岡に来ている。

明日、親戚の結婚式があるからだ。

軽く言うと親戚の娘とは
14歳ほど年齢が離れている。
そして、驚くほど可愛い。
いや、身内だからではなく
何度かスカウトに遭い
断らせていたくらいだもの。
まあ、あまり説得力はないと思うが・・・

そんな訳でその娘が結婚することとなり
旦那の実家である静岡に来てるってことだ。
うまいことホテルで無線LANが使用できたので
こうしてブログなんかも書いているし
ガンガンなる電話を処理しながら
メールをしたりもしているのだ。

話しがずれたが
その可愛い娘は俺のことを
『お兄ちゃん』と呼んでくれる。
なんだかすごく嬉しいのだ。
よくわからんが。

そんな嬉しさで忙しさも半減というか
お祝いムード一杯の長谷家なのだ。

そのお祝いムード一杯の長谷家だが
じいちゃんばあちゃんを連れ
静岡まで出てくるのが
もう、珍道中だったというか面白すぎた。
朝、実家に帰ると
出発時間の1時間前だというのに
すでに臨戦態勢でいる。
その癖、俺が帰ると
『早いじゃん』とか言う。

早いのはそっちだろう!

で、久しぶりの外出となる
爺さん婆さんはモサモサと支度。
支度しながら喧嘩ともとれる
言い合いというか掛け合い漫才。
これにうちの母が混じるもんだから
更に面白い。

婆「そんなにポケットに一杯いれてぇ」

爺「これでいいの!どこやっちゃうか
  わからなくなっちゃうんだから!」

母「そのコートじゃなくて白にしなさいよ」

爺「だからポケットが」

母「白の方がポケット沢山あるし」

爺「なに言ってんだよ、もう」

婆「(コートの)丈が長いから」

爺「丈が長いのは関係ないでしょう!」

母「白にしなさいって」

俺「爺ちゃんが着たい物着ればいいじゃんか!」

爺「もういいよ」

母「あったかいからこっち(白)の方が」

爺「わかったよ、もう」

婆「先に(家を)出てていいの?」

爺「あんたは足が遅いんだから先に行ってなさい」

婆「ちょっとトイレに」

爺「また、トイレかよぉ」

母「ばあちゃん先に行ってなさいよ」

婆「トイレだよ!」

爺「足が遅いんだから、あんたは」

婆「トイレだよ、トイレ」

母「やっぱ白にしたの?」

爺「そうだよ、悪いかよ」

母「ポケットは?」

爺「入れたよ、もう」

婆「(トイレから出て)もう行くかい?」

爺「だから、先に行ってなさいって!」

婆「はいはい」

母「婆ちゃん、杖は?」

婆「持ったよ(出る)」

俺「便所行っておこう、長いよね?(移動時間)」

爺「2時間くらいかかるぞ」

俺「ああ・・・」

母「あれ、トイレ?」

俺「(トイレから)うん」

母「長いから先に行ってたら?」

爺「長いのか?」

俺「え?」

婆「(入ってきて)まだ、」

爺「先に行ってなさいって言ったでしょう!」

婆「だって、待ってても来ないから」

母「先に降りてたらいいじゃない」

俺「何?どーしたの?」

母「まだ、あんた?」

俺「まだだよ」

爺「まだなのか。行くよ、もう」

俺「え、あ、うん」

母「早くしないさよ」

俺「待ってよ」

爺「じゃあ、行くよ」

母「もう、行くって」

俺「そんな急かさないでよ」

婆「(入って)ねえ、ま、」

爺「もう行くから!ほら出なさいよ」

  二人出て行く。

母「私も入りたいから早くして!」

俺「なんだ、そういうことかよ」

× × × × ×

  食事中。

婆「爺さん、薬飲んだか?」

爺「・・・」

婆「薬」

爺「コートのポケットに入れてきた」

婆「コートは?」

爺「車の中においてきた」

  駐車場までは遥かかなたである。

爺「(大きくため息)」

母「爺ちゃん薬飲んだ?」

爺「コートの中!コートは車!」

母「なんで?」

爺「車の中が暑かったから脱いだの!」

婆「はははははは」

母「コート置いてきたの?」

爺「さっきから何べんも言ってるじゃないか」

母「聞いてないわよ」

爺「もういいよ

俺「薬なんか一回くらい飲まなくたって

                 大丈夫でしょ」

爺「・・・」

いや、ただ読んでいるだけだと
痛々しい家族だが
面白かった。

さて、これからVP台本を・・・
映画香盤の手直しを・・・
企画コンテを・・・

じゃ!

夕食を食べてホテルに戻る。

ふと日記を読むとタイトルと内容が全然違う。

解説しておくと

今日の日記は俺がどれだけ長谷家で異端児かを

書こうと思っていたのだった・・・

その話しはまた今度。

■つって、今度にした話しは

 いくつ溜まっているんだ?の罠