11月13日
「ぐはーあっ！」
僕が目を覚ましたのは
赤羽という駅で
降りたい駅から
11は離れた遠い場所だった…
11月12日
昨日と同様に４時の目覚ましで起き、
予約してあったタクシーに乗り込み
現場に着いたのは、
ちょうど６時だった。
今思えば、
朝一から気配はあった。
カメラマンの予期せぬ遅刻…
ヘアメイクのスピードダウン…
急いでも急いでも、
チェックで撮り直しや
追加カットが増えていく…
次第に撮影香盤も
１時間押しが２時間押し、
３時間押しと
最終的に
７時間押しまでズレこんだ。
21時30分終了予定の撮影は
朝の４時30分まで激しく続いた。
次の日の集合時間は７時。
僕は自宅に帰れなかった…
５時に制作部が用意してくれた
ホテルに入り風呂に入って５時15分。
目を閉じて45分後の
６時に携帯の目覚ましが鳴る。
11月13日
スタッフ全員が殆ど寝ていない状況の中で
撮影は開始された。
開始というより再開か。
ロケセットの撮影は
昨日とは打って変わってサクサク進む。
フラフラなのにサクサク進む。
「何故、同じスピードが
昨日出せないんだ！うおーっ！」
僕は品川駅でスイカを
電子マネー対応タイプに変えた。
なんか便利そうだし、
いい気分じゃないか？
いい気分だぜ！と
山手線ホームに意気揚々と降りた。
「事故のため山手線は
運転を見合わせております」
は？
なにそれ！
つーか、見合わせるってなに？
見合い？
お見合い？
ふざけんなよぉ〜
な、もんで、僕は、
山手線に乗るのを諦めて
京浜東北線から
東京・新宿方面へ抜ける
コースを選んだんだ。
「ぐはーあっ！」
ガラガラに空いていた電車内は
結構な込み具合で、
僕の両隣にもおっさんがぎっちりと詰まっていた。
目が覚めて、
顔を上げると
ちょうど目の前に
駅名の看板が見えた。
『赤羽』
あ か ば ね？
足りなかった睡眠は
電車の中で取らせてもらいました。
