新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

見ちゃったよ。

11月23日~24日
多分、というか恐らく、
まだ手を出してはいけないようなことを
やってしまったような気がする。

それは何?

過去を参考目的でなく
感傷目的に振り返ることだ。

いや、言い訳をするわけじゃないが、
ちょうど、奥さんと子供たちが
奥さんの実家の近くで、
ゲキレンジャーショーをやるってんで
ここ数日の間留守にしているのだ。
それで、元来夜型である僕は
夜中になってふと映画でも観ようとして
ビデオやらDVDやらが入った棚を開けた。

棚には学生時代に集めた映画や
参加した映画作品が置いてある。

どれにしようか
思い悩んでいたんだ、
既に一度以上見た映画ばかりだから
なかなか決まらない。
こうなったらルパンとかガンダムとかの
アニメに逃げてしまおうかと思った。
なら、やっぱり『カリオストロ』か?と
ビデオを手に取った時だ。
突然、棚の整理を思いついてしまった。
ビデオの整理をしようじゃないかと。
引越しした時に
おおよそのビデオは後輩に
あげたりしたんだが、
まだまだ棚の置くまでビデオが並んでいる。

と、全部のビデオを出して
並びなおしていた。

ふと目に飛び込んだ一本のビデオ。

映画でもTVでもVPでもない。
多分、日本中でもこのビデオの中身を
見たことのある人間は
多くても200人がいいところだろう。

そのビデオは…




ある劇団のある芝居のビデオだ。

既にその劇団は無い。
公園回数も3回しかない。
96年から1年に1回、
98年の3回公演が最後だった。

そんないわゆる小劇団のビデオだ。




そんなビデオが目に飛び込んだ。
飛び込んでしまった。
思わず手が伸びた。
デッキに入れた。
爪が折れていたので
勝手に再生が始まった。



舞台に立つ、俺。



ああ、なんでこんなビデオを見ているのか?
過去に浸っている場合じゃない。
が、見てしまう。
若い俺や俺たち。

内容も内容だ
28歳の男連中が
高校時代を懐かしむっていう…
そして、現実とのギャップに挟まれて…



ああ、嫌な気分だ。



でも、あの頃の俺は
もう少し腹が引っ込んでいたなぁ。
結構、稽古とかで運動してたからかな。

あの頃に戻りたいなんて思ったことはない。
でも、あの頃の腹には戻りたい。

本来、この手のビデオは
見て、「あー、若いな」とか
「ひでー芝居だな、こりゃ」的な
恥ずかしい過去としてみるべきものだ。

「あの頃は良かったな」とか
「あの時は輝いていた」的なものを
考えてはいけないのだ。


って、ことで今日の記憶は封印する。


見なかったことにしよう。







じゃ!