新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

本家・カチンコ日記 第1回~第10回

先日惜しまれつつ閉鎖してしまった。 演劇ブック主催サイト アータウン内の映像サイト『モータウン』にて連載されていた日記 「長谷巌一郎のカチンコ日記=本家カチンコ日記」を転載しています。

では、どーぞ!

第1回
ご挨拶

初めまして
助監督・長谷巌一郎です

ちょいとした縁がありまして、
こちらに写メールを寄稿することとなりました。
どーぞよろしくお願い致します

あんな写真やこんな写真をガンガンとお見せする可能性大です!

ご意見質問等は掲示板へ!
※注意 現在はありません。
0001_1←燃える朝焼け

第2回
演出部の武具(1)
2002年04月12日

あー喉が痛い
一昨日、昨日と大声を張り上げる仕事が続く。

何万人と収用できるサッカーグランドに
エキストラが200人…
これを万人規模に見せ、
誰もいないグランドに向かって熱狂させるのが一昨日の仕事だった。

関係各部所には武器がある

撮影部にはカメラがあり
照明部にはライトがある。
そして録音部はマイク。
制作部は…金だろう。

一昨日と昨日の現場では
トラメガが僕の唯一の武器だった…

あー喉が痛い

0002_1 ←トラメガ

第3回
演出部の武具(2)
2002年04月13日

PM17:00
昨日の朝から撮影しっぱなし…
眠気やだるさはとうの昔に消えうせ、たるい…

昨日の14:45から待っていたEX40人は、
深夜12時を過ぎてもやって来ない出番を待っている
暴動がおきても不思議はない
機嫌が悪ければその他全てにまで影響しかねない

「もうすぐ、あと数カット後だからね~」

「は~い!」

そんなこたあ、勿論

彼等の出番は朝5時にやってきた
今日は500回くらい嘘ついた

PM21:00
撮影終了

0003_1 ←今日のカメラ

第4回
演出部の武具(3)
2002年04月15日

<伝説のカチンコ打ち>

その男は
1/24コマで打ち、
1/24コマで開き、
1/24コマで画面から抜くという…

そしてある時は
両手で二枚のカチンコを打つ。

またある時は
空へ放り投げ空中でも打てたという…

お、恐ろしい男だ

そんな話しをデビュー当時にチーフ助監督から聞かされた
そんときはえらくびっくりしたもんだが…

でもさあ!
だいたい重要なのは合わせめとナンバーなのであって、
打ち方やコマなんてどーでもいいじゃ~ん。
最悪は入ってなくたって大丈夫じゃ~ん。

カチンコ日記といいながら
「最近カチンコ打ってないなー」と
ふと思い、伝説を思い出した。

(注)
カチンコとは、映像と音とを編集で合わせるための
大変重要なものである。
ここでは、かなり軽視した言い方をしていますが、
入ってないと、苦労するのは編集さんです。

僕もよくラッシュ(編集前の撮影フィルム)上映時に、
編集さんに怒られました。
「無理してでも入れろ!」

ですから、大丈夫じゃーんというのは
編集さんあってのことであって、
決して編集さんの苦労をしらずに
言っている訳ではありません。

そこのところ、どーかひとつ。。。。。。

0004_1 ←カチンコ魂全開の筆者

第5回
演出部の武具(4)
2002年04月12日

朝起きた時から喉が痛い。

風邪か?

風邪なのか?

そーいえば体もだるく、頭も痛い
ここ数年全くの健康状態を保って来た僕にとって、
この感じは久しぶりだ

あー目が回る

オフラインのサイケな映像が目に突き刺さる

あーなんか熱っぽい

早く健康になりたい!
やっぱり健康が一番だね

0005_1←カメラリモート 

第6回
演出部の武具(5)
2002年04月20日

今日年をとった

そしてこの仕事を始めて丸7年が経つ
俺は学校を卒業してからずっと手帳を付けている
なかなか分厚い

ページをめくって見ると一番最初は
1995年の3月27日(月)
書き込みは一行だけ
[母、ギックリ腰]
俺の7年間の記録の始まりはこれか…

えーと、初仕事は?

あった、5月4日クランクイン<新宿黒社会だ。
これはもの凄く辛かった。
ノーギャラだったし…
それから10月18日まで無職…
うぅぅ、泣きたくなるよな1年目。

あーなんか楽しい
俺って全然仕事してない!
劇団やったり
自主制作してたり…
働きだしたのはここ3年位からか!

なんなんだ俺?
0006_1 ←デビュー当時からつけている手帳

第7回
演出部の武具(6)
2002年04月23日

暇だ。
全く仕事がない。いや、来ないと言うべきか。

ポカポカと春の日差しの中で
「あー営業しなきゃなー」と思う。
でも、「営業に行くの嫌だなー」とも思う。
つらいところだ。

今日はあんまりにも暇だったから、
自宅のゴミを出し、
部屋の掃除などもしてみた。
しかし、まだ、昼だ。
うー、することがない。

だからと言ってはなんだが、
昼食を作ってみた。
冷蔵庫にあった食品で、何か作ろうじゃないか。

にんじんを千切りにして、トマトをのせ、
塩コショウとオリーブオイルをかける。
これで、サラダはいいか。

んで、ベーコンを切って、
スライスしたジャガイモをフライパンで炒めるた。

お湯を沸かして、
お気に入りにシナモンアップルのハーブティーを入れる。

そして、新宿プリンスホテル「ペペ」で買った、
レーズンパンを軽くトーストする。

あー なんかいい感じ。
まあ、あり合わせにしてはなかなかだ。

0007_1

うん。うまい。
俺好みな味。

食い終わってもやることなし。

あっ、こないだの仕事の請求書書かなきゃ!

第8回
演出部の武具(7)
2002年04月28日

先日参加したEX200人のCMがO.Aされている

あれ程、ビデオを送ってくれと制作部に言ったのに…

「今日うちの若い者が送付したはずですから」

…もう1週間だよ。そば屋の出前か!
まあいい

しかし、なかなか反省点の多い仕事だった
熱狂する観客というものだが、
いざ映像として仕上がりを観て見ると……う~ん
どことなく、目的無く熱狂しているというか…
ただ騒いでいるだけというか…
う~ん、反省。な~んか目が違うんだよなぁ
ファンの目じゃないというか…
ファンじゃないから仕方が無いと言えばそれまでだが…

やはり盛り上げ方がまずかったかなぁ

多人数を温めるとき、必ず使う言葉がある
「みなさーん!
 元気ですかー!!」
これが、なかなか効く。大体一回でドンとくる

猪木恐るべし

0008_1←旧知の友人と

第9回
休日が嫌い(1)
2002年05月02日

今日はどーしても行ってみたいと奥さんが言うので、
新宿の献血ルームに行く
二人とも献血は初めてである。

GWのせいなのか、
毎度のことなのかあまり広くないルームは人で一杯だ
気のせいか若年層が目立つ

受付で俺は、
なんのためらいもなく400ccの採血に同意する。
医師と話した後、
看護婦に呼ばれまず血の検査とかで少量を採血した
目の前ではガンガンに
血を抜かれている方達が静かに横たわっている…
奥さんはなんか怖いと400ccは拒否
俺も少し緊張してきたようだ
若い女性がベッドから起き上がった。
いよいよか、
と呼ばれる前に立ち上がる俺
足は空いたベットに向かっている。
そして、俺の名が呼ばれた。

「はい」

今にもベットに横たわる寸前

「すいません、長谷さん。
血液検査で異常が見られましたので、採血はできません」

「…い、異常?

"あなたの肝臓は弱まっています"

渡されたパンフには、
俺の栄養バランスと
適度な運動を促す漫画と適正体重が…

肥満のために献血を拒否された俺は
村本監督の言葉を思い出す

<太った助監督はいらない>

なんか体が急に重くなった…

0009_1 ←いつか復讐するつもり

第10回
休日が嫌い(2)
2002年05月06日

人より長いGWも今日で終わり。

やはり休みは嫌いだ。

なにして良いかわからない…
2、3日ならなんとなく楽しく休めるが
流石に2週間位休みだとすることが見当たらない
よく「休みになったらやろう!」とか思うが、
その時になると思い出せない

あ、そうだ!
企画書書かないと!
と思い出したら休みも終わりだし…

しゃ~ないな~
あーでも今月もあまり仕事入ってないんだった…
やべぇな…

ま、明日は明日の風が吹くさ!