新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

それが必要なんだ。

1月16日
理解して頂けないかもしれないけれど
どうしても、必要な一言や一文ってものがある。

いや、どうしてもじゃないんだけど
有ると無いとでは大きく違うことがある。



先日書き上げた絵コンテ。
担当プロデューサーに提出もしてあり
後はクライアントの反応を聞いて、
修正して再提出ってな流れが予想されていた。

で、その担当者から
クライアントからの指示という名目で
修正箇所の文言がだららららーっと。

まあ、これはこれで通常のことなんだけどさ、
なんかね、ショックなんだよね、軽く。

まあ、僕なんて大した経験も技量もない訳だから
そりゃあ、誰も彼もを一度で納得させられるものなんて
そうそう書けたりなんてしない。
だから、クライアントから修正依頼がくるなんて
当たり前だし、その部分に関してショックを受けることはない。

が、修正のメールを初めて開くたびにショックを受ける。


これはなんでだろうかと、
よくよく考えて出した結論がある。
それは、クライアントさんが
どう受け取るか?の前に
プロデューサーなり担当者なりの
意見というか感想が無かったからだと思い至った。



そして、現実にそうだ。


これは押し付けなのかもしれないが、
見た目がそう見えなくても、
一生懸命書いた台本や絵コンテだ。

完成した映像作品も自分の子どものように可愛いが
設計図である台本や絵コンテだった同じように愛おしい。

そして、また、書き上げた瞬間から
これは読んでもらう為に生まれたことが決まっている。




正直言って、一度出した台本や絵コンテの
意見や感想が数日経ってからくるのは嫌だ。

僕は良いと思って書いているし
良いと思ったから書き上げて提出している。

それを、受領しました!とかありがとうございます!だけで
終わらせられるのは非常に辛いものがある。


僕が書いたものは【良い】のか【悪い】のか
クライアントの要望している要件に合致しているのか
間違った文言はないのか、表現は合っているか
沢山の不安があるなかで書き上げたものだ。

最低でもそのチェックだけでもして欲しい。

うん、してくれてるのかもしれないけど
その声というか一文が欲しい。




昨年末に書き上げた絵コンテは
社内で担当の助手として付いた子から

「面白かったです!」と言われた。

これを意見と言うにはあまりにも稚拙かもしれないが、
書いた本人にとって、この一言は非常に大きな力となる。

ああ、僕の書いた者は最低でも
一人の人には理解してもらえて、
なおかつ面白かったのだ。
これが社交辞令でもなんでもいい、
僕はその意見に、感想にすがるぜ。

そんな拠り所というか
小さな安心がある状態で
クライアントさんからの修正を受けるのと、
ただ、絵コンテ受領しました!だけで
クライアントさんから修正を受けるのとでは

誰でもとは言わないけれど
かなり大きな差なんです。







クライアントさんからフィードバックというのは
意見や感想ではなく、確定した指示でもある。

だから、やっぱり
指示を出される前に感想が聞きたいんだ。

うまく感想を言ってくれると
その後の仕事の原動力ともなるし
色々と安心してお願いも出来るしね。


うん、そう、うん、うん、
確かに、マイナスな意見を聞くと
機嫌が悪くなるし、口調も荒っぽくなったりもします。
すいません。

でもさ、それも含めて分かって欲しいんだよなぁ。


書いている時間は数時間でも
そこにたどり着くまでに数日掛かってたりもするんだよなぁ。

それを、簡単に、ダメって言われると
ちょっと、クルでしょ、ね。


でも、ちゃんと真摯に聞きますし
クライアントさんの意見はきちんと反映させます。


相手の技は、きちんと一度受けてから返す。

プロレスと同じように。



いえ、違います。
この技は師匠から教わりました。


じゃ。