新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

軽い重圧と楽しみにしていること。

10月4日

朝からスタジオ撮影。

今日はクライアントさんところの

社員が出演するビデオ撮影だ。

本来、クライアントさん出演のビデオには

演出の出番はあまり多くない。

が、様々な経緯から

このビデオには僕という演出家が存在して

演者でありクライアントさんが登場する。

まあ、普段使わない気を使った使った。

使って無い風を装って

たくさん気をつかった。

まあ、せっかく撮影するんだし、

それもプロに撮ってもらうのだから

普段より上手に、

キレイに撮ってあげないといけない。

撮影が終わって後悔があってはいけない。

だから、まあ、あえて、

多少難しいオーダーも出したりする。

それを乗り越えた方が楽しいし嬉しいものね。

で、かなり順調に撮影は進み

予定時間を1時間前に終了した……

さて、ちょっとしたことだが、

今月よりタイトルにあるような

軽い重圧というか、

今までと同じなんだけど

ちょっと違う責任を負うことになったんです。

自慢になりませんが、

僕は就職したことがありません。

1995年にタダ働きでデビューしてから16年

一本、一本の作品ごとに

制作会社に雇われて働いてきましたが

ここにきて、

ある契約をある制作会社さんとすることにしました。

僕にとって、こんな契約をして働くってことは皆無でした。

それも、どう考えても僕に不利な部分が全くない

素晴らしい条件です。

それは、ある制作会社の仕事を優先的に請け負う

その代わりに毎月○円の報酬を支払うというものです。

これ、昔はけっこうあったみたいなんですけど、

僕が知るかぎり、こんな好条件の契約ありません。

だって、優先的であって、専従じゃないんです。

そりゃ、毎月の金額に見合う本数はあるのかもしれませんが、

基本的に自由なんです。

別の制作会社の仕事もやりつつ、

こっちの仕事もやる、やれる。

これほど嬉しいことありません。

僕にとって仕事は仕事であって仕事じゃないんです。

楽しいし、苦しいし、嬉しいし、悔しいし、

すべてを含んだ事、物、者、モノなんです。

だから、そりゃお金は必要ですが

突き詰めていうと、

仕事をし続けられる状況が

もっとも素敵なことなんですね。

それが叶ったんです。

契約満了まで

止まることなく走れる。

止まらなくて良い。

嬉しい。

スケジュールに空きが出来ない日々がくる。

それに伴う責任も大きくなりましたし

より一層自己管理も必要になりました。

でも、ワクワクして仕方がない。

先方だって、

一本一本のギャラを相談して決めて

支払う段取りを作るよりも

何本仕事しようが支払う金額は同じって方が良いだろう。

そう考えるとやればやるほど損って思うかもしれないけど、

損なんかじゃないんだなぁ、これが。

僕にとって仕事は

やればやるほど上手になるし楽しくなる。

経験値が多くて困ることなんて一切ない。

それが楽しみ。

僕は手帳の隅っこに

その月の休日日数を記入していて、

毎年年末に365日のうち

何日休みだったかと数えるのが

密かな楽しみなのだ。

毎年150日から200日以上の

休日がある僕だが

その数が今から楽しみである。

この軽い重圧も、軽く押しのけてやろうと思う。

じゃ。