新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

儚い夢。(追記)

4月3日

知ってるかい?

人の夢と書いて、

儚いという字になる。

それはつまりだ、

人の夢ってやつは、

「はかない」ってことじゃないか?

って、何度チャレンジしても

映画化の糸口が掴めない僕の脚本作

【サンタクロースズ】に書いた。

今、現実の世の中を見て思うのは、

むしろ人なんかいない方が

夢のある世界ってことなんじゃないかと。

地球上のあらゆる生物は

取り戻せない破壊をすることはない。

いや、絶滅という破壊行為はあるが。

僕らは作るのも大好きだけど

破壊するのも大好きな生き物なんだ。

作って、作って、作って、壊す。

壊して、壊して、壊して、作る。

作るだけが大好きな人、

壊すのだけが大好きな人。

色々だ。

その彩りで地球は美しいのだ、きっと。

その彩りで人は美しいのだ、必ず。

でも、じゃあ、人は全て美しいのか?

罪を憎んで人を憎まずという、

誰かの罪をを探し、見つけ出し、問いただしたい、

今、日本中、世界中で、罪人を探している。

誰かを殴りつけて、罵ってやりたいのだ。

が、きっとね、多分ね、

そんな悪の権化はいないのだ。

僕たちと同じ人がいるだけ。

何をどんな言い訳をしても

同じ人間なのだ。

その人がいなかったら

こんな事態にはならなかったのか?

こんな事態になったのは

一人か何人かの人間のせいか?

タイムマシンでそいつらを

根絶やしにすればいいのか?

いや、きっと同じことが起きる。

それは、○○さんという人間が罪を重ねたのではない。

人間だけが罪を重ねる動物だからだ。

それはまた、人間が非常に弱い意思しか持ち合わせておらず、

また、同時に生命の根幹たる

本能までをコントロール出来る強い意思を持つようになってしまったからだ。

こんなことを書いても

たいした意味は無いんだけど

何も変わらないんだけど。

ただ、僕は、

食って、寝て、働いて、

食って、寝て、働いて、

食って、寝て、働くだけなんだ。

それが、ずっとずっと続けば良いと。

僕の夢は、儚いのか。

僕に映画を作らせてくれ。

なぜ、人に夢で、

儚いという文字にしたんだ!

夢は寝て見ろ、

起きて見る夢は、

現実っていうんだぜ。

じゃ。

追記分

ふと、思い出したことがある。

もう、10年以上前の話しだが、

僕が日本映画学校(現日本映画大学)の一年生だった時だ。

取材というか、ドキュメンタリーというか、

映像抜きで研究発表をする実習があって、

どんな経緯かは忘れたが、

僕らの班では、原子力発電所がテーマだった。

むろん色々な文献をあさり

原子力発電所について色々と調べたが

結局、どうなの?どのくらい危ないの?と感じた。

それは、つまり、現実感のない情報と

文体やきわどい写真で誇張を感じる反対意見で

どっちもどっちじゃないかと見てしまったからだ。

そういった手法にはめられたとも言える。

が、取材の日程の中である出来事が予定されていた。

確か、六ヶ所村かどこかの

放射性廃棄物再処理工場から

プルトニウムだかウランだかの燃料が

白昼堂々渋谷を通って運ばれるというのだ。

僕は輸送車がもっとも生身の人間に近づくとされる

渋谷にある青山トンネル(だったと思う)に行った。

動画での発表は禁止されていたので、

僕らはカセットレコーダーを持っていった。

映像が駄目なら音声だけでも録ろうぜと。

学校から駄目だと言われたら、

全部文字で起こしてやれば良い!と。

で、多分言いだしっぺだからか

僕がレコーダーを持って

輸送車が通過するであろう地点に向かった。

すでに原子力発電所に反対している人々が

横断幕を掲げて集まっていた。

僕はその日、始めて見知らぬ人たちに

インタビューをした。

よく分からないなりに

一所懸命になって録音した。

数時間後。

バタバタを音がした。

頭上を見ると、10機以上のヘリコプターが飛び回っていた。

少し高台を探して、

僕はそのヘリコプターを撮影した、

何枚も何枚も。

4トントラックほどの輸送車が数台通るだけで

地上は当たり前だろうが、

空からも10機もヘリコプターを飛ばして警備する。

念には念を入れての警備?

それは逆を考えると

もし、輸送車が事故を起こしたら?

その時の対応のために他ならない。

そして、数分後に

前後を警備された輸送トラックが走り抜けた。

借り物の一眼レフが連射でシャッターを切った。

見たままを伝えるために、

必死になってレコーダーにレポートを吹き込んだ。

数分どころか数十秒の出来事だった。

で、今だから正直に言うが

少々芝居をした。

あからさまに焦っている風でレポートした。

ほんの数秒の出来事を多少なりともドラマチックに

そう聞こえるように、あえて、高い場所から飛び降りて音を出したり、

用も無いのに仲間を大声で呼びつけた。

僕は、この日起こった

使用済み燃料の輸送という出来事を

発表会用のショーに仕立て上げるために

事実をより盛り上げようとした。

事前に考えていた訳ではなく、

その時、直感的に思ったのだ。

このままでは面白くない、と。

高校を卒業してすぐの19才の学生でも

情報をある、一定の、思惑に沿うように

操作しようとすしたのだ。

出来たかどうかは分からないが。

嘘つきはどこにだっているのだ。

TVにも、ラジオにも、ネットにも、ブログにも、

Twitterにも、フェイスブックにも…

会社にも、学校にも、街にも、

警察にも、税務署にも、議員にも、

家族にもいるかもしれない。

でも、それでも、信じなければならない。

人は、人を、信じ続けなければいけない。

皆、そうすれば良い。

じゃ。