新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

遙か長い道。

3月17日

そして、遙か長い道を歩くことになる。

11日、オーディションを終えた僕は

そのクオリティの高さとその他の様々な要件を踏まえ

キャストの決定に二の足を踏んでいた。

”じゃあ、14日に決めましょう”と

キャスティングのYさんから申し出があり、

いや、Yさんは今日の夕方には羽田から韓国へ社員旅行だから

実のところはオーディションどころじゃない。(失礼)

いやいや、悩む時間は14日までありますよと

優しく言ってくれたのだ。

そうやって、キャスティングのYさんが

事務所を出てしばらくしてからだった。

1度目は大きい揺れではあったが

まだ笑っていられた。

が、2度目は笑っていられなかった。

そして、TVで見たあの光景。

すぐに帰ろう!と一緒にいた

演出部とプロデューサーに声をかけ事務所を出た。

赤坂駅で電車が止まったのを知ったが、

何の当ても確証もなく、赤坂見附に向かった。

当然だが、動いて無かった。

ふいにJRに向かおうと思い、

赤坂見附から四ツ谷まで歩いた。

四ツ谷駅の掲示板に

徒歩で全線を確認していますと表示されていた。

その表示を見て

自宅まで徒歩で歩くことを決めた。

iPhoneには奥さんからの緊急連絡が入っていたが、

僕の方からは連絡がすることが出来なかったからだ。

が、この段階で歩いて帰宅することを決めたのは正解だった。

僕はいつまで経っても通じないiPhone片手に

重さ3キロのパソコンを持って、

履き慣れないブーツで2時間30分歩き続けた。

ま、これくらいなら良い方かもしれない。

帰宅して翌日。

現在進行中の仕事の中断が決まった。

これは来月の振込みが無いということだ。

ここ1ヶ月半進めていた脚本作業も

オーディションなどの作業も

全て中断、ストップした。

が、そこに何の成果物が存在しない以上

4月の振込は望めない。

そりゃあ、直接災害被害にあった方々に比べればマシだ。

が、それは言うなれば相対的な話しで、

ウチの話しに限った絶対的な話しで言えば、

これは二次災害ともいえるべき状況で

誰かに文句を言うつもりは無いが、

状況的には最悪が待っている印象が強い。

何とかいまのうちに手を打ちたいとも思うが、

今から打てる手も限りがある。

ああああ、仕事を探さないといけないかもしれない。

じゃ。