新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

魔法の黄色い運動靴。

9月26日

とことん快晴。

起きると慌ただしく奥さんが

運動会用のお弁当を作っている。

特にこういったイベントごとの朝は

忙しさと共に期待感というか、

高揚感に似た空気が流れおり、

参加するはずもない俺も

少しばかり高揚することになる。

そして、念のため再度カメラをチェックする。

昨日三脚が壊れていることを発見し

応急処置程度に修理したんだが、

イマイチ納得していない。

バッテリーは充電してあるが、

Sバッテリーから使うかLバッテリーから使うか

一眼レフは標準レンズを付けて出るか

望遠レンズで出るかなど

昨日は散々悩み抜いた。

そこまでやっておいての

更に朝の機材チェックだ。

とてもじゃないが演出部には思えない。

しかし、ミスは仕方なかったとしても

後悔はしない方法、減らす方法は

いくつもある。

それが事前の準備だ。

さて、今年と来年は運動会や学芸会などの

イベントが年二回づつある。

息子は小学校で娘は幼稚園だからだ。

だからと言う訳じゃないが、

通常2カメのところ、1カメ体制で行くことに。

いや、通常2カメってのは、

通常じゃないんだけどね。

たまたま今回は

義理の妹のカメラを借りなかっただけ。

だから、後輩のカメラだけで。

え?カメラ持ってないの?

ええ、持ってません。

ムービーカメラは持ってません。

そんな訳で運動会だ。

一年生は4つほどの参加種目がある。

つまり撮影ポイントも4回ある。

かけっこや玉入れ、

体操にダンスちっくなやつと種目は色々あるが

中でも一番難しいいのが

かけっこの撮影だ。

数十秒で終わってしまう競技だから故、

間違いを訂正する時間は無い。

また、特に民生機のカメラのズームは

ボタンでにゅーっと寄ったり引いたりするが、

それがとてもまどろっこしいし、

得てしてベストな位置で止まらない。

いや、ベストな位置で止まることは稀だ。

DVカメラの名機と言われた

ソニーのVX1000や2000、

パナソニックのDVX100などのカメラには

ズームリングがあって、

指先でキュッキュッとズーミングできる。

レンズ交換で出来ないだけに、

こうした機能・機構は大変に重要だ。

ああ、カメラ欲しくなってきた。

ソニーからレンズ交換式の

ムービーカメラが発売されるらしいんだけども

日本国内発売未定らしいけども、

それが欲しいなーと。

モニターやるので下さい。

って誰に言っているのかしら?

まあ、とにかく「かけっこ」の撮影は難しい、

横位置から撮影すれば順位はよく分かるが、

表情は横顔になってしまう。

正面からは表情が分かるが順位はよく分からない。

斜めっていう位置もあるだろうけど

これはこれでベストな位置は非常に難しい。

で、僕が構えた位置は正面。

順位など分からんでいいと割り切った。

望遠レンズでアップから入り、

走り出して数秒してから引いて全体を見せ、

ゴール直前で再度アップにする。

という構成を考えていたが、

このズームボタンが、

それを不可能にしてくれた。

より過ぎるし、引きすぎる、

ちょうど良いポイントで止まれよ!

と、息子が走る前の練習で手法を変更。

ズームの途中は捨てるつもりでいこうと

むしろ、ムービーカメラも重要だが、

一眼レフで表情を押さえれば良いのでは?と

思い至る結果となった。

で、痛恨のミス。

一眼レフを連写にしておらず、

一枚しかシャッターが切れず、

その間、ムービーは放ったらかしだったので

中途半端なアングルとサイズで…

やはり二兎は追えないのか…

次の娘の運動会で挽回しよう!

グラグラの三脚も新しくしたいなー。

って、いつまで行事・イベントを見るのかなぁ。

小学生までかな?中学生までかな?

高校生になると、来るなよ! って感じでしょ。

まあ、まだ10年くらいはあるのかなぁ〜

ああ、忙しくて、こうしたイベントごとの

ビデオ編集がたまっていく一方だ…

そのためだけにファイナルカットプロと

Mac(ノート)が欲しいなー

宝くじ当たれ!

買ってないけど。

魔法の黄色い運動靴。

早く走れそうな、魔法の運動靴だ。

ベリベリとマジックテープを剥がし、

足をするりと入れると僕の足は軽くなる。

身も心も軽くなる。

今度のかけっこでは絶対に

一位になるりたいんだ。

幼稚園では一回も一位になれなかったし。

いっぱいいっぱい手を振るんだよね!

諦めずに最後まで走るよ!

だから、がんばるよ!

僕のカメラの中で

魔法の黄色い靴は力強く地面を蹴り上げ、

大きな砂煙を上げて、

君のスピードを押し上げていた。

そして、最後の最後まで力を抜かずに走った。

「やった二位だ!」

と、思った。僕にはそう見えた。

「ダントツで四位だったよ」

と奥さんが言った。

「え? だって、俺の目には…」

正面から見たのでは

正確な順位が分からなかったのかもしれない。

でも、これだけは言える。

最後の最後まで諦めずに走ったから、

それが最後に抜かしたように見えたんだ。

それが魔法だったのかもね。

じゃ。