新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

羨ましいのかと聞かれれば羨ましいのだと答えるだろう。

6月26日

いくら、自分に言い聞かせたとしても、

多分無理であったと思う。

こうして書かずにはおられない…

本日より渋谷シアターフォーラムで

公開が始まった映画 結び目 を見てきた。

この映画は、見るべくして見たというか

見なければならない要因が数多くある。

1、監督の小沼さんとは映画学校の同期で

  卒業してからの付き合いだけど

  まあ、友人?知り合い?そんな感じ。

2、脚本を書いているのが、これまた同期の港。

  学生時代も同じクラスでもあったので

  監督の小沼さんよりはよく知っている。

3、編集を担当しているのが、これまた同期の前嶌くん。

  くん?まあ、この人も卒業してから。

と、同期が少なくても3人。

これはどう考えても多い。

多すぎて、この映画を

きちんとした判断で見られるかどうか

不安になるくらいだ。

で、結論として言ってしまえば

そんな心配は全く必要ではなかった。

逆に同期の奴らがこんな映画を作ったと

心底驚いている。

それほど、この結び目という映画の出来は良い。

とはいえ、”低予算映画”と

くくられてしまう規模であることは間違い無い。

現実に低予算映画であるのだから。

しかし、低予算映画というくくりの中でイメージする

映画の骨格とはどんなものだろうか?

1、出演する俳優の名前を知らない。

2、ストーリー展開が地味。

3、映像がビデオっぽい、安っぽい。

と、まあ、他にも色々とあるだろう。

が、この映画に関しては少なくても3番の

ビデオっぽい、安っぽい映像を見せられることは無い。

それだけは、胸をはって保証する。

この映画はニコンD90という

一眼レフカメラの動画機能で撮影されたのだ。

その映像のワンシーン、ワンシーン、

ヒトコマ、ヒトコマが、

一眼レフカメラで撮影された

スチール写真のような切り取られ方をしている。

これは、非常に劇的である。

この映像だけでも一見の価値がある。

で、もう少し加えると

脚本が絶妙であり、

それを手馴れてきた演出と

これまた絶妙な間の編集が良い。

こればかりは見て貰わないと伝えられないけど。

いや、なんというか、

こんな映画こそが、きちんとした批評をされる

土台にあがるべきだろうし、もっと知られるべきだと思う。

あえて、言うが、

この映画がどれほど良い映画であっても

街ですれ違う若者たちの大半には知られないだろうし、

ウチの子どもが通う幼稚園のママさん達には

下手をすれば一生知られないかもしれない。

それは残念でならない。

少なくてもこの映画は

鑑賞した後に何かを感じられる映画である。

そんな映画は、沢山ありそうで、実は少ない。

でも、僕がどれほど

ブログで言ったところで何も変わりはしないだろう。

でも、こうして言いたくなるのは、

おいおい自分にも関わってくる、

関わってきてほしい問題であるからだ。

取り急ぎ、この映画に関わった全てのスタッフに拍手したい。

また、この映画の制作を進めたプロデューサーと

制作会社にも拍手喝采をお送りしたい。

ブログで映画の批評とか感想とかは

書かないようにしようと…

そんな思いをひっくり返すほど

この映画には力がある。

こんなに褒めても何も出ないのに…

それでも、書かずにはおられなかったのでした。

書かないことが無理でした。

まだまだ、簡単に追いつけるぜ!

と、思っていたのは遠い昔になりそうだ。

いや、きっと追いついて追い越します。

追い越して、追い離します。

誰だ!悲しいね、って言った奴は!

じゃ。