新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

プロの姿勢。

4月4日

最近で担当したVPドラマで

助監督を二本続けてやってくれたKくんが

自分が監督した作品を上映するので

チケットを買って欲しいと言って来た。

「おかしな監督映画祭」という。

15人の若手?監督が5人ほどいるプロの女優を使い

テーマ問わず完成尺10分で表現をする映画祭だそうだ。

つまり、全部見ても150分にしかならない。

「お前が撮った奴は面白いのか?」

「はい、グランプリ取ります」

それが嘘でも本当でも構わない。

見に来て欲しいチケットを売ってるからには、

自信の無い物を見せられては困る。

「グランプリ取るのに、よもやそんな格好な訳じゃないよな?」

Kくんは完全な助監督スタイルというか

まあ平たく言えば、

動き安く暖かいだけに特化されたような…

「いや、これしか無いんです」

「駄目だよ。」

「え?」

「これは姿勢の問題なんだよ、

いつものジャンパーでも評価が下がることは無いとしよう、

じゃあ、スーツでも着てビシッと頭下げて"見てくれてありがとう!"

という姿勢を見せることが、評価を下げるか?下げない、

むしろ上げる可能性の方が高い。

どっちが作品にとって幸せだ?

お前がどう見られたいかなんかじゃなくて、

どう見て欲しいかと言う姿勢を見せないと。

だって、プロの演出部でしょ?」

「スーツ無いです…」

「衣装部に借りろ、プロだろう。」

Kくんはその場で衣装部に電話した。

それが昨日のこと。

「グランプリはK監督の幽霊さん!」

正直、全部の作品を見て

ほぼ、というかかなり圧倒的に完成度が違った。

仲間であるからこそ、プロであるからこそ、

キツイ目で見ていたが、

それでも圧倒的だった。

現場で確かな演出力を見せたいKくんは

やはり確かな映像を作っていた。

何はともあれ、

おめでとうおめでとう!

第八回

おかしな監督映画祭グランプリ

管 公平 監督

「幽霊さん」

祝勝会やらねーとな。

じゃ。