新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

スタイル。

2月6日

誕生日を明日に控えた息子を連れ

子どもたちと奥さんとで映画とプレゼントを買いに出た。

少し前にライダーやウルトラの劇場予告で見た

「オーシャンズ」

子ども料金が500円ということもあったし

息子が動物や虫、恐竜など生き物好きなこともある。

で、劇場を調べると新宿では3館で上映中。

バルト9とピカデリーとミラノ。

バルトとピカデリーなんて

すんごく近いのに上映している映画が

似ている感じがするが気のせいだろうか…

で、時間と距離で総合すると

ピカデリーがベストだったのでピカデリーに向かう。

上映時間の1時間前だ。

通常ならば1時間前で座れない訳がない。

いや、通常というのよりも

オールドスタイルと言った方が自然かもしれない。

そう、ピカデリーにしてもバルトにしても

チケットの購入や席の確保などは

既にニュースタイルと言うべき形に変化している。

つまり、1時間前に劇場に着こうが、

売り場に数時間並んでいようが、

全く憂慮されないシステムになっている。

で、子ども二人連れて

ピカデリーの窓口でオーシャンズを言ったら

「すいません、今、空いているお席はこの2席しかありません」

って、一番前の一番端っこ。

それも右端と左端の2席。

ボーリングで言えばスピリットだ。

すかさず、奥さんが次の回は?と切り返せば

「えーと、4席ですね…」

まばらに空いた4席。

大人が4人ならどうにでもなるが…

これは、つまりあり得ないということで。

「ピカデリーなし、移動!」

と、即断即決。

息子は、どうして並ばないの、

なんで出ちゃうの?と

不思議になって聞いてくる。

仕方がないだろう、1時間前に来たのに

すでに席が空いてないのだ。

オールドスタイルでは太刀打ち出来ない…

あ!ミラノはオールドスタイルだ!

時間は…全然間に合う!

すぐに歌舞伎町へGO!

で、ミラノでは全然間に合った。

ピカデリーの状況を考えると

バルトもかなり混雑していると思われるが

ミラノ座はだいぶ快適な状況で鑑賞できる。

もし、オールドスタイルでの勝負を望むのなら

是非ミラノ座へ。

で、まあ、映画の感想は置いて置いて、

ミラノ座周辺の変化というか終焉には、

なんだか涙が出そうになる。

あの頃、学生時代に映画を見ると言えば

新宿の歌舞伎町のあの界隈であり、

コマ劇とミラノに挟まれたあの地区には

映画館がひしめき合っていて、

オールドスタイル全盛だったこともあり、

ふらりとあの界隈に行って、

時間の合う映画をふらりと見るなんてことも…

それが今ではミラノ座以外の劇場が無い。

全て閉館しており…

ああ、あそこでジャンクロードヴァンダムの映画を見た!

あっちでオールナイトのフェイスオフを見て

その後にジョン・ウーを見た!

あそこの劇場の地下にはサウナがあって…

あそこのスクリーンは当時日本で一番大きいと言われていて…

心なしか、いや、実際、この界隈の人通りは少ない。

僕はよく知らないんだけども、

ここの開発って、どうなっているのだろう…

また映画館村のような…いや、ならないだろうな。

あの頃は、あの頃なのだ。

もう、帰ってくるはずもないし、

へたをすれば誰も帰って欲しいと思っていないのだろう。

だから、このようなことになっているのだし、

自分だって映画を昔みたいにちょくちょく見なくなった。

そんな奴が無責任に、過去をもう一度なんて

自分勝手というものだろう。

でも、また、活気のある場所に返り咲いて欲しい。

で、オーシャンズだ。

はっきり言って眠い。

しかし、良い映画なのは間違いない。

でも、信じられないくらい眠くなる。

ウチの奥さんと話したのは

この映画は眠くなって良い映画じゃないかってこと。

逆に心地よいから眠くなるという風なこと。

ちょっと、おいおい、説教かよ!って部分もあったが、

大部分は素晴らしい映像で圧倒されます。

息子も見ながらいちいち

生物の名前を言っていましたし

わー!とかいって感動もしてました。

でも、眠かったとも言ってました。

寝ませんでしたけど。

その帰り道。

かねてより息子が欲しがっていた

顕微鏡を買いにバルト9の入っている

マルイに行く。

それなら、いっそバルトで映画を見た方が…

いや、言うな。

そこで、一悶着。

顕微鏡と言えば、あの顕微鏡を思い出すでしょう?

理科室であったような物。

プレパラートに見たい物をのせて

なんちゃらって言う液体をかけて

少しの力ですぐに割れてしまうちっちゃなガラスを載せてね。

そんなやつ。

でもね、最近は色々あって、

もちろん、そのままのすっげー奴もあるんだけど、

もっと簡単にしたような奴もいくつかあってね。

で、奥さんとしては

欲しいとはいえ本格的な顕微鏡ではなく、

もっと簡易版の顕微鏡にしようとしていたようで…

つまりは、物を目の前にして意見が衝突することになるわけ。

もちろん息子は、本格的な顕微鏡が欲しくてたまらない。

どんなに否定的な意見を言われても

全然譲ろうとしないほど頑固に欲しがっている。

でも、奥さんだって、ほいほいと買う訳にはいかない。

欲しいから買うというのは間違っている。

どう考えても、今、本格的な顕微鏡を買えば、

その使い方から片付けまで全ては

パパがいなければ出来ないって代物だろう。

プレパラートの扱いなど幼稚園児には

不向きであるのは間違いない。

そんな平行線の話し合いが続く。

「じゃあ、こうしよう、この簡易版の顕微鏡で練習をしよう。

 この顕微鏡で色々と慣れて、面白くなってきてから

 本格的な顕微鏡にステップアップしようじゃないか、な?」

「小学校でも顕微鏡は使うから、

 そこでしっかり覚えてからでも遅くないから」

「これ簡易版とか言ってるけど、しっかりした顕微鏡だった!

 それに望遠鏡にもなるし、首から下げられるし、外で使えるぜ!」

まあ、一度思い込んだ物を

諦めるのは並大抵の気持ちではないだろう。

1時間くらいかかったがやっと、

柔軟に考えられるようになってきた。

「じゃ、じゃあ、ちゃんと使えるようになったら

 クリスマス前でも次の誕生日の前でも買ってくれる?」

「おう、それはその時に決めよう。でも大丈夫だよ」

何が、どう大丈夫かは言わないでおこう。

「これ、安いから一緒にカブトムシの作る奴も買ってくれる?」

しっかり値段を見ていたんだな。

金額的にプレゼントを値切られているとも感じたのだろう…

「おう、いいぞ。メタルなんとかだろ!」

アルミで出来た、昆虫などをモデルにした

制作キットのことである。

以前、このキットのカマキリを買ったのだが

とても良い出来だったので、

また、買おうな!と言っていたのだ。

とても、大変な説得だったが、

奥さんがなんとか丸めた。

その辺りはさすがである。

もう、俺なんかは

本格的な顕微鏡を買う気でいたもの。

1万円近い奴と7千円ほどのやつだったから

もう、どっちでもいーやー位に考えていたもの。

でも、やっぱり違うね。

よく考えたら、そーなんだよね、

まず、自分で扱える範囲の物というか

誰かが見ていないと、

怖いとか危ないなんて物は

ちょっとあり得ないと言えば、あり得ないんだよね。

だから、納得。

でも、自分で、堂々と扱えるようになったのなら

プレパラートとか割らないで扱えるようになったのなら

その時は、約束通り本格的な顕微鏡を買いましょう。

うん十万円する奴とかは無理だけどもね。

少し想像とは違う物だったかもしれないけど、

きっと、この顕微鏡でも、ワクワクできると思うよ。

逆に、これでワクワクしないのなら

どんな顕微鏡でもワクワクしないから。

しかし、マルイで顕微鏡が買えるなんて

これもまた、ニュースタイルなんだろうね。

って、店の名前はニュートンスタイルだった。

おそまつ。

じゃ。