新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

この分だと最後まで…

10月7日の深夜から8日、

そして9日の日記。

僕は7日の試写の後、

自宅で別件の台本を書いた。

翌日が締め切りであったので

非常に焦っていたが、

もっとも焦っていたのは、

直撃が予想されている台風。

7日の夜の段階ですでにかなりやばい。

で、思わず、夜の内に出ようかと思った、

8日、9日の2日間で編集に

カタを着けなければならなかったからだ。

制作会社に夜、最終で行くには

調べてみると深夜12時5分くらいの

電車に乗らないと駄目らしかった。

時間は23時を少し過ぎたところ、

今から出れば間に合う。

が、僕はすでに別件の台本と格闘中であり

途中で止めることが出来る代物でもなかった。

で、書き上げてみれば深夜2時。

そこで、考えた。

早朝攻撃だ!

僕は目覚ましを4時間後の6時にセットした。

5時30分に目が覚めた。

すぐにTVを付けると

台風が予定よりも遅くなっている様子。

調べてみると、僕が乗る路線に遅れは出ていない。

行け!すぐに出ろ!

という思いにですぐに自宅を出発。

乗り換えて、地下鉄。

地下鉄なら台風の影響は無い…

いや、ある。

この路線、途中で陸上を走るのだ。

いや、むしろ空中を走る部分すらある。

地下鉄ではない。

そう、僕が電車に乗った直後、

車内を無常なアナウンスが

「えー、台風の影響により

 この電車から運転を見合わせます…」

え?この電車?今、この電車からって言った?

振り替えをアナウンスしているが、

ここで、へいへいと別の路線に変える気は無い。

こういうの時こそ、動かないって手だ。

いや、面倒なだけだが。

でも、案の定というか、やっぱりというか

僕の判断は常に間違っていないというか、

5分ほど停車してから発車となった。

あのタイミングで振り替えに行っていたら

余計回り道だったぜ!

でも、一駅ごとに5分以上停車。

停車するたびに振り替えを案内している。

よほど、運行に自信が無いらしい。

が、こっちも意地だ。

とことん乗ってみようじゃないか。

で、大手町から死ぬほど人が乗ってきて、

これほどぎゅうぎゅうになっているのに

運転を見合わせていますとのアナウンス。

乗ってきた連中も、ちょっとおかしいんじゃないか?

このまま止まっていると言っているのに

押すほど乗るのか?

こんな状態で何分も待ち、

なんとか発車した。

数液こんな状態をガマンして目的地へ。

時計を見れば30分オーバー。

苦労の割りには、

大して遅れていない。

それはそれでがっかりだ。

そんながっかりしながらも

身体はだいぶ疲れてしまった。

そこから編集するなんて

そんなの出来ない、あり得ないよ!

って、心が身体が叫んでいるが

構わずやる。

編集が終わったのが

9日の3時30分だった。

あー。

例のPも23時過ぎになって

「終電が無くなるので…」

と、申し訳なさそうな芝居をして帰った。

僕は、夕飯すら食べずに編集している。

ぶっ続けのノンストップで。

それがこの仕打ちだ。

もう、情けないとか怒りとか

そんな激情した気持ちは無い。

諦めたというか、考えるつもりは無い。

考えた時間がもったいない。

4時くらいになって朝飯だか夕飯だかを食べて、

始発で帰ろうと思いながら…

飯を食べたら眠くなってしまって、

八!と起きたら7時。

すっかり外は良い天気。

9日の朝8時に帰宅。

家の中は、幼稚園出発前で

バタバタしていた。

風呂に入ったら眠気が覚めたので

子どもたちを幼稚園に送っていき

それから、就寝。

目覚ましを11時にセット。

9日13時。

再度制作会社の編集室へ。

エディターが僕の残したメモを元に

作業を進めている。

さすがだ。

が、プロデューサーの肩書きを持つ人。

何もやっていない。

台本をコピーして内容をチェックして欲しいと書いたのに

台本の場所が分からないとか言っている。

メモにはデスクトップと書いたのに、

デスクトップとはどこですか?と言っている。

ああ、この人に21世紀はまだ来ていないんだと思った。

つまり、台本を出してないということは、

台本を見ながらつなぎをチェックしていないということで、

一度見たというのは、文字通り見ただけであり、

そんなことをお願いしたつもりは無いのである。

10時に会社に来ていたのなら

3時間はあったはずだ。

3時間で台本をコピーして

もう一度最初から見ても30分番組ですから

40分とか45分で済むはずだ。

つまり、初見で30分、

台本をコピーして見直して45分。

合わせて75分。

多分、何を言っても駄目なんだろうと思う。

が、編集もカタがついて

帰ろうかなと思ったら目に入った。

Pが持っていた資料が。

いや、資料じゃなかった。

原稿だった。

DVDケースのデザインだった。

最初に言っておくと、

この仕事は、そもそも何年も前からやっている行事の

記録番組的な要素もあり、また、強い。

だから、去年の物や一昨年の物も存在するわけだ。

もちろん、僕も去年の映像を見た。

参考にはしていない。

だって、全くコンセプトが違うし

つまり、それは映像の内容が大きく変更されるってことだからだ。

このことはクライアントにも話してあるし、

ある程度は容認されている話しでもある。

で、前回の試写で色々な問題を言われたが、

最終的なというか、肝の部分では合意をしてもらっている。

それは、つまり、今までの物とは全く違うことにOKを頂いたということ。

だが、僕の目の前にある

DVDのケースデザインは

去年の物と全く同じものだった。

いや、少しだけ違う。

年度数が今年の年度になっているのと、

文字の色が緑からピンクになっている。

また、写真も今年の物になっている。

それだけだ。

デザインからフォント、

つまり見栄えに一切の変更が無い。

例えば、今年のビデオを

見たいと思ってケースを手に取った時、

パッケージにある年号の部分を見なければ

いつ撮影された物なのかどうか

全く分からないのだ。

内容がこれだけ変更されているのに

その外側は全く変更がされない。

いや、する気が無いのだ。

「これ、無いですよね?去年とどこが違うんですか?」

「…ええ。文字が。」

「それはそうでしょう。デザイン一緒ですよね?」

「写真、写真変えます」

「これじゃ駄目です。」

「はい?」

「ちゃんとデザインしてください、

 こんなものにビデオ入れないで下さい」

「いや、このデザインは

 別の案件の資料ビデオと同じものなんですよ」

「同じにしろという指示だったんですか?

 資料と番組のDVDパッケージのデザインは

 同じにしろという指示なんですか?」

「いえ、違います。」

「じゃ、変えてください」

「でも、誰が?長谷さんやります?」

「僕はやりませんよ!

 ちゃんとそれ相応の方を呼んでください!」

「……」

「あり得ません、これ。」

僕のわがままっぽく聞こえるかもしれないね。

でもね、考えてもごらんなさい。

3日間も徹夜して、作っているんです。

仕事だからとか、お金のためとかで、

ここまで普通はやりませんよ。

取材した連中のことが好きになったし

この行事の目的も嫌いじゃない。

んで、このビデオも作っていて

大変に楽しく思っているからだ。

だから、とっても大事なビデオなわけ。

子どもって言えるくらいに。

つーか、自分がディレクションした物は

そういう風に思えるし、思っている全部。

そんな子どもが、

こんなケースに入れられるかと思うと

不憫でならないというか、

許せない。

金じゃないんだよ、

気持ちが入っていないんだよあんたには!

って、次にデザインが変わってなかったら言います。

叫びます。大声で。

さて、息子、娘の運動会が近いんです。

この日のために

徹夜をしたって話しもあります。

いや、無いです。

じゃ!


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