新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

短パンに禁煙。

7月5日

ある代理店の方から呼び出しがあって、

僕も時間があったので行ってきました。

久しぶりだったので、

色々と話すこともありまして…

飯を食べた後、

ホテルのバーに行く!なんてことに。

で、行く。

タクシーで乗り付ける。

すると、どーだ、

喫煙席ですか?禁煙席ですか?

なーんて聞いてくるもんだから

もちろん禁煙席って言ったわけさ。

あ、いつから禁煙したってのは

後で書くけども、

具体的には昨日の夜から禁煙してる。

でね。で、席に案内されるのを待っていたらさ

別のねーちゃんが出てきて、

俺のスネ毛の生えた足を見て

うちのバーにはドレスコードがあるから

おめーの短パンは入れる訳にはいかねーんだ。

だと!

おい!なら初めに言え!

着いて、すぐに言え!

あれか?アレなのか?

短パンをずり降ろしてスネを隠したらOKなのか?

どの位降ろせばOKなのか?

って、バーでレンタルのズボンを履くなんて

話しの流れになっていたんだけども…

「いや、帰りましょう。嫌ですよ、ズボン借りるなんて。

 借りてまでこんなとこに居たくない。出ましょう。」

そんな訳で、またもタクシーを呼び

赤坂方面へ…

申し訳ないことに

色々気を使わせてしまって…

次に行くホテルに事前に電話して

「短パンなんですけと大丈夫ですか?」

って、聞いてくれました。

「あ、ついでにスネ毛が濃いんですけど、

 その辺も大丈夫か聞いてください!」

ええ、無視されましたよ。サラリと。

「スパッツ、いや、レギンスで隠せばいーですか?

 スネ毛が見えなければいーんでしょ?って聞いてください」

聞いてくれるはずがありません。

そもそも短パンでもOKって言われたのですから。

うん、すいませんね。

かなり大人げ無いです。

スネ毛はありますが、大人げは無いんです。

でもね、考えれば考える程に腹が立つんです。

いや、短パンが公式な服装だなんて思っていませんし

公式な場に短パンで行くほど僕も度胸がありません。

でも、ここはバーでしょ?

バーが公式かどーかじゃなくて、

客商売の場所でしょ?

ええ、ええ、ルールがあるのは構いませんし

それがドレスコードだってのも理解できます。

大人ですからね。

こうして腹が立っているのは

二拍くらいおいてから、

あんた無理!って言われたこと。

新宿のなんちゃらっていう

気取ったねーちゃんのふざけたホテル。

気が利いてるなら、一番最初に言いやがれってんだ。

それとも、当店は短パンをお履きになったような

野蛮で粗雑な印象のする格好をした輩には

入店をお断り申し上げています。って書きやがれ!

つーか、こんなくだらないことで

いちいち怒るのも、

昨日から禁煙を始めているからかもしれない。

どーして、禁煙を始めたか?

それは、言いたくない、書きたくない。

至極、プライベートなことだから。

いくつか要因があるんだけど、

その内の一つだけを書いておくと、

息子と約束をしたからだ。

歯を磨いている時のこと、

僕が磨いているのを真似して磨けと言って見せていた。

「パパ、前の歯のここ、黒いよ」

「ああ、これはタバコのせいだよ」

「そうなの?ならタバコやめたらいいのに」

「…あ、そうだな。止めたら綺麗になるかな」

「なるよ!」

「そか。なら辞めるよ」

その僕の言葉を聞いた息子の反応。

とっても嬉しそうな顔してくれた。

その言葉から数日後だ。

色々あった。

理由はこれだけじゃないけど

ばっさりタバコを辞めることにした。

はっきりと辞めることを意識したのは

ほぼこれが始めてであり、

それが一日(24時間)続いたのも始めてである。

よく、禁煙すると吸いたくなってたまらなくなる…

と聞くけれども、現状、大して禁断症状は無い。

むしろ、禁煙をしていなかった時に

飛行機や会議などで吸えなかった時の後の方が

禁断症状が出たような気がする。

これはどういったことか?

タバコを辞めたいと思ったのは確かだが、

むしろ、タバコを憎んだことも確かである。

大好きなタバコと別れたというよりも、

憎くて仕方の無い奴と離れたと言うべき。

自分の中でのメンタルなコントロールだけど

その部分をコントロールしたせいで、

タバコを吸いたいとは全く思わなくなった。

いや、習慣で、何年もの習慣で、

台所に立つと勝手に手が動き出しそうになったり

タバコの場所や灰皿を視界から外せなかったりするが、

ほぼ、同時にタバコに対する嫌悪の気持ちが発生する。

こんな…たかだか木の葉っぱごときが…

俺を縛り、閉じ込め、憎悪させる。

昨日の夜のことだ。

頭の中で色々考えて

自分に何が出来るのかと考えて

結局、何も出来ないと思い絶望して、

でも、何かをしないと気がすまなくて、

とめどなく流るる涙をシャワーで流し、

ふと、口をついて出た言葉。

「タバコを辞めよう。辞める。いらない、こんなもの」

そのまま風呂から出た俺は、

まだ数本しか吸ってなかった

アメリカンスピリットライトの箱を

ガバッと開けて、水道をひねり、

水をなみなみと注いだ。

まだ、新品のタバコが水に浮いた。

くしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てた。

高校三年生の頃からだから…

18年近くも吸っていた計算になる。

親の次に付き合いが長い、

いや、一緒にいた時間で計算すれば

恐らくダントツだろう。

それだけ、僕はタバコに蹂躙されていた。

いつでも辞められると思っていたけど、

辞めることを考えるにもタバコが必要だったのだ。

まずタバコありき。

辞められるはずが無かった。

でも、今後一切タバコから手を切るつもりだ。

いや、つもりじゃない。

切る。確実に切る。

もう、必要ないから。

でも、禁煙を人に勧めようとは思わない。

それは、それだ。

自信が無いわけじゃないけど、

禁煙してるなんて言葉を忘れるほど

必要の無い状態にもっていく。

そもそも吸っていなかったよ俺って

しれっと言えるように。

じゃ!