新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

とりたてて、

2月17日
とりたてて書くことが無い。

今日は、朝から編集室で編集をして、
帰宅してからメールを数件打ち返しただけ。


しかし、よく分からないことがある。
いや、最後までわからないのかも知れない。
カッコいいこと書いていると思われるかもしれないが、
今まで、助手から含めて14年か15年仕事をしているが、
やっぱり分からない、作り方が。
厳密に言えば作り方は理解しているが
それは方法論や実技であって、
”おもしろいもの””楽しいもの”などの言葉が頭に付く映像
作り方がわからない。

修正依頼や訂正依頼などを
へいへーいと引き受けてはいるが
内心は怒りと不安、疑問と自責の念で一杯になる。
どうして、一発でOKの出るものが作れないか?
いや、自分自身が本心から納得できるものが
どーして出来ないのか?

今回の仕事でも、
過去の作品が何本もあって
それを仕事に入る前から見て、
仕事に入ってからも参考資料として見ているんだが、
何度見ても、自分には出来ないと思ってしまう。
そもそも今回のテーマと過去のテーマが違うのだから
どう考えても同じ発想や手段が使えるはずも無いのだが、
もし、僕がこのテーマだったら、
これを越えるものが作れただろうか?
そう考えてしまうと、全く不安になるし絶望感で一杯になる。
こうして、すぐ隣で僕の言ったことを
必死になって叶えてくれようとしているエディターの兄ちゃんや
そのまた隣でうんざりするほどあるテロップを3D化して
グワングワン動くアニメーションを作ってくれている兄ちゃん
この編集室のすぐ上にあるCGルームで、
半狂乱になりながら山ほどあるCGを
次から次へと仕上げていくCG部の面々…

ふと、そんな疑心暗鬼に捕らわれていると
一生懸命な彼らの背中から
”全然面白くねー”
”今回はハズレだな”
”やべーなこの作品”と
声無き声が聞こえてくる気がしてならない。
自分が自分の助手に付いていたら
自分のことを僕はどう思うのだろうか?
コロコロと意見を変える芯の無い奴だと思うか?
クライアントやプロデューサーに言われたら
ニコニコしながら修正を快諾する
権力に負ける奴だと思うだろうか?

わからない、わからない。

本当に自分が作っているものが
おもしろいのか?
褒めてくれるこの人は本心なのか?
それとも社交辞令なのか?

もっと出来る、もっと出来るはずだと常に思う。
ヘトヘトになりながらも頑張ってくれている
兄ちゃん方のためにも
頭をフル回転させて自己ベストをたたき出したいと思う。
だから、色々とトライアンドエラーを繰り返し
挙句の果てにゼロに戻すこともしばしば。

申し訳ない。
僕がふがいないばかりで…

ニコニコしながら、煎餅をボリボリかじりながら
チョコレートを舐めながら、ガムを頬張りながら
いっつも、そんなことを考えています。
答えの無い答えを求めているんでしょうか?
その答えは自分にしか無いのに
その答えに自身がもてない。

なら、それは辞めちゃえってこと。

本気でOKを出せるまで粘るしかないのか。
この兄ちゃんはどこまで付いてきてくれるだろうか?
もうすぐ音を上げやしないだろうか?


申し訳ないな。
でも、時間一杯諦めないでやるつもりです。
分からないよ、全く分からないよ。
でも、それは今だけかもしれないよね。


いや、本当に難しい。


言葉にして言ってみて、
反応が悪いとすぐに引っ込めちゃう意見って無い?

もう、そればっかりな気がしてるんだよね。



そんなこと無いですよ!
って言われるんだけどね。





でもねー、
ここまで後ろ向きな考えが出ても
自分がまさか向いて無いなんて答えは出ないんだよね。
そこら辺が楽観主義というか、馬鹿というかね。
結果的には、誰もが良いという着地点もいけると
本気で思っているんだもん。

三歩進んで二歩下がるってあるけども
二歩下がってから五歩進むんだよ。
進んでから下がるなんて
そんなの、許せないでしょ?

じゃ!