新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

半分。

2月8日
なんかアレなんだけども、
ちょうど、編集してくれているエディターさんが
25、6くらいの兄ちゃんなんだけども、
今日なんかは日曜日だから
制作会社に全然人がいなくて
都合、二人っきりで編集してて
まあ、それはそれで快適なんだけどね
なんていうか、目の前で、
編集マシンを編集マシンのように
黙々と作業を進める兄ちゃんを見ていると
自分も若いような気がしてきててね。

って、鏡をよく見ろとか、
下を向いて突き出た腹を見ろって言われそうだけど…

まあ、なんだ、
とにかく若いんだ作業ペースじゃなく
作業の係わり合いかたが。
自分は若いなんて思ってたら
気が付けばエディターと10年近い差だ。
10年って言えば一昔って言われる程の差だよ。

僕とM監督やS監督がちょうど10年の差なんだけど
それと同じ年齢差があると思うと
なんだか、敬語を使われたりするのが
もはや当たり前なんだなぁと感じるわけ。
つーか、M監督やS監督に対して僕は
ちゃんとした敬語を使っている訳じゃないんだけどね。
ほとんどタメ口だったりして…

それはそれだ。

何が言いたいとか、
そんなんじゃないんだけどね。
まあ、なんだ、
僕としてはですね、

楯突く奴が良いんです。

言われたことを ハイッ! 
と気分良くやってくれるのは
確かに気分が良いんだけど、
物足りないというか、
その分、トライアンドエラーが多くなるというか。
エラーが出た時の徒労感ったら無い。
もし、自分が操作していたとしたら
きっと、エラーでもなんとか誤魔化して使うんだけど
こうしてエディターに繋いでもらうとなると
そうはいかないというか、
そんなもんですか?と思われているとは思わないけど
自分がそう思うんだよね。
エラーをエラーのままにしておくことが出来ないというか。
2時間もかけて作ったものを
ほんの数秒でダメと言うのは辛いけど
出来ることなら、

「それは危険じゃないですか?」

って言って欲しいわけ。
もっと、痛烈に言ってくれても構わない。
なんというか、僕の意見とあなたの意見とは
ぶつけて壊して、新しい何かを作りたいわけじゃん
同じベクトルに向いていれば、
どんなに激しくぶつかっても
結論として間違った方向には行かないわけだから。

で、頭の話しに戻ると
若いって年齢だけじゃなくて、
自分の意見を押し通すことでもあるし、
相手に対して萎縮して
意見を溜め込むってことでもあると思う。

まあ、そんな印象をおととい感じたので
昨日、仕込み日と称して
好き勝手に繋いでもらっておいたんだ。
それを今日見させてもらってね。
とっても良い感じだったわけよ
多少直したけども。

だからこそ、こうして繋いでいる最中にも
自分の、自分なりの意見をぶつけて欲しいのさ。
無理かもしれないけどさ、
見た目の迫力で相手を萎縮させる確立が
著しく高い僕が相手だと。
いや、今日を含めて二日間一緒にいたんだから
そろそろ、分かってきたんじゃない?
見た目の真逆の人間だこいつは!って。


で、明日も編集なんだけど
明日は期待したい。
恐らく、今日も彼は仕込みをコツコツとやっているだろう。
色々と帰り際に言ってしまったから。
でも、そんな事のほとんどは覚えてない。
大して重要なことは言ってない。
でも、彼は一つ一つ覚えて、
その答えを明日に間に合わせるように作っているだろう。

12時にしてくれと言われたが

「わかった。じゃあ、11時に来るよ」

って、もの凄く意地悪なことを言ってしまったし。

あー、これがいけないのか?
良いわけないよなぁ。
でも、言ったことは戻ってこない。
とはいえ、取り返しのつかないことは無い。

明日からは、もっと自分も若くなって
彼の意見を聞き出して編集に反映していければと思う。



なんだか反省文みたいだが
反省は全くしていません。
いちいち反省していたら
編集なんて進みません。

今日の段階でやっとこ半分です。

全体で8分から10分以下が
狙いの完成尺なんですが、
今は4分と40秒ほど。

尺的には半分。
内容的には半分に少しいってない。
微妙に危険だと感じています。
エディターの兄ちゃんは
僕が軽く計算した尺勘定を聞いて
規定にはまるものだと確信している様子。

いや、それはでっち上げだから。

数学だけでうまくいくほど
編集は簡単ではないのだよ。



ディレクターとしての経験は少ないが
助手としての経験が
今後の進め方と完成目処を見据えている。
僕が僕の助手なら、きっとこういうだろう、

「このペースの間だと、尺ギリギリかもしれませんね」

と。
そう、ギリギリなら良いんだ、ギリギリなら。
ちょいとショートとかちょいとオーバーなら良い。
かなりショートとかなりオーバーが一番やばい。

明日は若いってことを理由にして
かなり深くまで攻め込んでみようと考えている。


「○○くんは、夜型?」

「え?はい?」


その質問の意味を計りかねているいるようだった。
もし、夜型と答えたらどうなるのか?
朝型と言えばどうなるのか?


「僕はね、朝何時でも良いから」

「え、はい…」

「4時でも5時でも6時でも良いよ」

「は、はははは」


冗談で言ったつもりは無い。
朝4時から編集して夕方までやっても良いんだ。
どのみちかかる時間は
結局のところ、あまり変わらないのだから。
それなら、普通の時間に…と思うだろう。
でも、夕方や夜を作業に当てることで
失う修正依頼の対応時間も大きい。

より良い物であるためには、
完成して、試写して、修正依頼を聞いて修正の
段取りが必要なのだ。
これらが、全て必要な時間が決まっていたとするなら
朝からへって、夕方に終わり、夜と翌日の午前中を
修正依頼の受け答えや対応に使った方が
効率で良い物になる。


「あの、じゃあ、12時開始で…」

「わかった。じゃあ、11時に来るよ」


と、ここに繋がるわけだ。

でね、僕が11時と言ったら
10時30分から45分には行くのさ。
今日だって、予定時間の45分も前に行ったし。

”はぁ?おっさん早ぇよ!”
って、とっても思っただろう。
それが習性なのだから仕方が無い。



そんなこんなも全部含めて
明日からはエディターにとっても
楽しい編集を心がけたい。

心がけたい。

心がけるは心がける。
どんな努力をするかは考えてない。
考えるなら別なことを考えるべきただから。


じゃ!