新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

技術打ち、ロケハン、台本修正…

11月13日
技術会社からカメラマンを呼んで
打ち合わせ。
VTR系の技術会社では
もろもろがセットになっていることが多い。
カメラマンとカメラ機材、
録音機材と録音スタッフ、
そしてカメラアシスタントなど。

よくワンチェーンとか言うが
これは、ちょうどVTRの機材ってやつは
カメラからモニター、録音機材などとが
全てコードで繋がれていることからだ。

ただし、今回は、
最少人数だけだと心もとない。
ちょっとしたケースドラマもあるので
レールを引く予定である。
そうすると、カメラマンと録音部だけの体制だと
いや、もちろん制作部や演出部もいるんだが、
まあ、専門の助手さんがいるに越したことはない。

照明部を呼ぶ予算は無いが
ちょっとしたライトは持ち込んでもらい
撮影部にちょっとしたライティングは
やってもらうことにした。

まあ、今回の技術会社は
過去に師匠の現場で何度もお願いしたとこだから
安心しているというか、わがままも聞いてくれる。
言ってないけど。

もう何年も一緒に仕事をしてなかったけど
あの時、助手だった彼がカメラマンだし、
あの時、助手だった彼はもういないそうだ。
ちょいとばかり昔話をしながら
今回の打ち合わせを進める。
僕は基本的にアバウトなプランしか無い。
事前に細かく決めれば決めるほど
それに捕らわれることになるし、
その通りに行かないとがっかりするし
その分、変な部分で怒らないといけなくなる。
だから、基本的な方向性しか決めない。
後は、現場で!が好き。

いや、本当は撮影前日までには
綿密にカットを割っていくし
芝居やアングルも想定しておくんだが、
それを誰かに見せようとは思ってない。
だって、それ通りには絶対にならないから。
僕は自分で立てたプランだから
自分でそれを崩すことは平気だけど、
スタッフは、基本的に真面目だから
一度出された指示を真っ当しようと
がんばってくれる。
それは、それで大変にありがたいし
感謝感激なんだけども、
決めたことを決めた通りに進めるなんて

とっても面白くない!

なんか思いついて、それが面白いなら
そっちに流れていこうよ!って感じ。
一度、決めちゃうとね
あ!って思った時に
変更がきかなくなったりもするし。

うん、もちろん、決めなきゃならんとこは決めるけども
基本は役者の芝居を見てからねって言ってます。
先に準備したいのは充分わかっていますが、
それをやりたくないし、出来ません。

申し訳ない。

で、そのまま、カメラマンを連れて
クライアントさんまで行ってロケハン。
短いケースドラマがいくつもあるので、
その分、撮影する部屋が必要だった。
事前に写真で決めてはいたが、
写真だけでわかるほど
僕は想像力が豊かではない。

5つか7つくらい場所を決めて
さー帰りましょうかーと思ってたら

「あの、監督、いいですか?」

「はい、なんでしょう?」

「台本の修正がありまして、打ち合わせを…」

「え? あ、はい!」

昼過ぎにこれが最終であろうという面持ちで
提出した台本だったので、
僕はその場でプリントアウトして
製本して折り目をつけて、
見栄えよくして持参していた。

「しゅ、修正ですか、あの、昼に送った台本の?」

って、何を当たり前のことを言ってるのだ俺は。
そうであっても、なくても、
台本の修正があるのだから断る理由などない。

ちょっとギョッとした。

えー!かなりあるじゃん!
こないだの修正案を全て盛り込んだのに
更に修正ですか!
本気ですね!

まあ、言いがかり的な修正なら
はー、はー、とか言って聞き流すこともあるが、
修正台本を読む限りは、
とっても本気。
いや、これって当たり前なんだけど、
結構、こういったVPをやっていると
途中で訳がわからなくなって投げちゃう方や
全体的な内容とか意味じゃなくて、
句読点とか”てにをは”とかばかりに目が行く方も
多くいらっしゃるのだ。

多分、今までの台本のやりとりで
どの部分を言わないと修正にならないと
理解してこられたのだろう。
本気になって読んだからこその修正。

そうなると、こっちも本気で聞かないと失礼なので
丁寧に丁寧に修正箇所を確認しながら
もっと良い方法や文面を模索。
サラリと聞いてしまえば
ものの30分ほどで終る話しだったが、
1時間30分もかかってしまう。



外に出て時計を見たら21時を回ってた。



あー、やべー、
番組の企画書全然進んでねーや。


じゃ!