新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

心癒されて…

6月8日
1時30分起床。
3時には家を出る予定だ。

明け方狙い。
いや、厳密に言うと
明け方から早朝までしか
許可が下りていない場所なのだ。
有り難いことに
太陽は徐々にその姿を
早く見せてくれる季節。
先週の同時刻ロケハンでは
4時50分には辺りは光りに包まれるはずだ。

はず だ。

化学的な根拠は無いが
経験的に明け方や夕方は
一時的にスコーンと晴れることも多い。
予報では曇り確定なんだが
一時的な晴れが出ないという保障も確約もない
また、その逆もない。




しかし、その辺りに、
思考に住む悪魔が顔を出す。
賭けてはいけない時に背中を押す悪魔。
希望無い情況に希望を見出だす悪魔。
無駄に楽観的にさせる悪魔。

奴らは、ひっくり返り落胆した
我々を喰らう。




今回のプロデューサーは
俺より年齢は若いんだが
その点において好判断を下したと思う。
賭けるしかない情況だから
賭けるには賭けるが、
最小限の賭けに出たのだ。
勝てば数倍の勝ちで
負けても最小の負けで済む。

勝るのは年齢より経験だ。






そんなことを考えながら出発までのひと時を
紫煙をコーヒーで流し込んだ。


その賭け、乗るぜ俺は。


いや、俺が乗るぜ。
それで多少でも安心するのなら…な


と、こんな気持ちになれるのも
昨日帰宅が早く、
子供たちとの会話があったからだ。

子供との会話は
ファンタジーだ。
現実でもあるが非現実的な。

一緒に風呂に入ると
まくし立てるように息子は
今朝方にみた”レスキューフォース”の
ストーリーを説明してくれた。

確実に説明が旨くなっている。
的確に要点を捉えている。
擬音が要所で入るのは
俺に似たのかも知れんが。

息子は身振り手振りで
物語を語る。


多分、恐らく、
実際にTVで見るよりも
息子のこうした説明の方が
100倍くらいは面白いのだろう。
つーか、内容より
一生懸命に俺に
分からせるように説明しようと
考えながら話す息子が愛おしい。

「そーか、そりゃ、面白かったな」

「うん、今度パパも見て」

「わかった」

そう言うとニッコリと満足そうな顔をした。
少し難しいことを要求していたのかもと
始めはかなり深く考えたが、
実際に物語や内容を
しっかりと把握して話させるということを
求めてみて良かったなと思う。

それに応えようとしてくれる
息子にも感謝している。




で、とは逆に
娘の破天荒ぶりには
拍車がかかっているようだ。
すでに手におえないほど
娘は暴れん坊で強情でわがままだ。
まだ、自分のことや意見を
ちゃんと言えないからこそだと思うが、
自分の意を通そうと
全力で暴れるその姿勢は
ある意味あっぱれだし、
ある意味腹も立つ。

頼むから
おしとやかにとか言わないから
暴れるのだけは勘弁してくれ。
久しぶりだから
少しくらいは大丈夫だと思ったけど

う○こが溜まって出ずらいくらいで
この世の終わりほど暴れるな。
う○こって言え。





× × ×


体の疲れは全く取れてないけど
心に出来たしこりのような
疲れのような塊は取れたような気がする。

少しくらいの曇り空も
大きなプレッシャーには感じない。
焦らずに落ち着いて行動する。
昨日、今日と大声を張り上げて
声が枯れ気味だけど、
イライラすることなく
現場に立つことができる。



4:25
すでに空は明るくて
太陽が地平線の向こうから顔を出す頃だ。
都会のど真ん中では
所詮ビルの合間からの太陽だけど…

絞りが入って真っ暗だった
カメラからの映像が
徐々に明るく見えてきた。

いける、回せる。

天気は完全に我々についている。

じゃ!