新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

リクエスト

5月13日
朝、隣でゴゾゴゾと
奥さんがギョウチュウ検査シートを
息子の尻に当てている音で目が覚めた。

「え?何?何すんだよー」

朝起き掛けに
尻を出されて息子は
訳が分からない様子。
セロファンのバリバリとした音が
息子の尻にあてがわれる。
明日は検尿があるそうだ…

こうして、あんまり病気をしなくなって
病院に行く回数もめっきりと減ったが、
幼稚園や学校で検査をしてくれる。
それも広い意味で無料で。
いや、そもそも、ウチの区では
中学生を卒業するまでは
診察料も薬代も無料なので
何かあれば積極的に病院に行く。
ちょっとしたことで、
ちょっとした金がかかると
放っておくことが無い。
手間隙の問題だが、
すでに自分よりも子どもが大事である。



まあ、現状与えている食物で
ギョウチュウにひっかかることは
あんまり無いと思われるが。
とはいえ、何かで聞いた話だと
少しくらいギョウチュウとかが
いる方が何かしらの病気にならないとか
病原菌に強い身体になるとか。
いや、でもさ、
身体にギョウチュウがいるなんて…
ちょっとね。

かなり嫌だよ。

確か朝起きて尻にセロファンを貼るのは
ギョウチュウってやつは
朝方に尻穴から出てきて
校門の周りに卵を産むってことらしい。

うん、想像するだに恐ろしげだ。

もし、朝、そんな光景を見た日にゃ…

ああ、あれ、ヒドゥンって映画みたいだね。
ヒドゥン知らない?
見てみてよ。面白いよ。



で、ヒドゥンが面白いのはいいとして、
今朝も奥さんの具合が良くなさげで、
ひょっとして今日も幼稚園かなと思ってたら、
息子の方から

「今日もパパと幼稚園に行きたい!」

とリクエストがあった。

「おう、わかった。すぐ着替えるから待ってな」

娘も着替えさせて仕度をした。
昨日よりも少し早い時間だ。
自転車もゆっくりと走らせる。

「パパぁ、今日は自転車遅いね」

いつもの坂道で息子が言った。
昨日は坂道をぶっ飛ばしてきたので、
それを期待していたのか、
怖がっていたのか。

「ああ、今日は時間が早いからな」

「そっかー」

「そうだ。」

「早く幼稚園に行った方がいいよー」

「なんで?」

「だって、沢山遊べるから」

「早く着き過ぎても入れないぞ」

「大丈夫だよ」

「何を根拠にそんなことを言う」

「だって、大丈夫だから」

「わからん」

「もー」

「もー、じゃない!」



で、昨日より早く幼稚園に着いたので
自転車置き場にも全く人がいない。
数台の自転車しか止まっていない。
よし、これなら、多くのママさんに出くわすこともない。
けど、息子的には
数台自転車ある=一番に幼稚園に来たわけじゃない
と憤慨している様子だ。



「あー、自転車が、1、2、3、4、5台ある!
 5番目かぁ~はぁ~」

「いいじゃねーか、5番目なんて
 かなり早い方だぞ!」

「一番が良かったなぁ~」

「ああ、それは無理だ」

「なんでぇ?」

「9時より前の朝お預かりの子がいるからだよ」

「えー、朝お預かりしたい」

「したいーって、朝、いつも起きるの遅いじゃないか」

「早く起きる!」

「はいはい、せいぜい頑張りな」





と、今日も平穏な一日が幕明けたようだ。

先日の企画書の返信もまだな様子。
地方に飛んでいるプロデューサーが
俺の企画書をメールではなく、
FAXで読む段取りらしいのだ。
早くても返事は今日の夜だろう。

それまで、企画書の直しも無いし
次のお仕事も入って来ていない。

動き出しそうで
動かないといった様子でもある。



ま、こんな時は
次の計画や企画を考えることにしよう。
子どもたちが帰ってくるまでの間だけど…







じゃ!