新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ファイナルのカット オフライン試写

5月2日

「見終わって、重苦しい、嫌な気持ちになりました…」

”やった!成功だ!”

多分、あからさまに喜んだ顔をしたに違いない。
今回のVPは教育でもなければ
お勉強の類いでもない。
視聴後に嫌な気持ちに、
重苦しい気持ちにさせることが
名目のフルドラマVPだ。
試写の後に議論されるのは
さながら企画会議というか脚本会議に似ている。
いや、今までの打ち合わせでも散々脚本会議をした。
つまりは表現としての取捨選択だったりする。

「ここまで(重たい)表現しちゃって良いのか?」

「ここまでやらないと、いけないんじゃないかと思います」

一般的に上司と部下がキチンと議論できる企業には
良い会社が多いと思っています。
今回の会社は素晴らしい。
そして、試写が終わった瞬間に
このVPが僕の手の内から
クライアントの手に渡ったと実感します。
この議論に加わってはいるものの
すでに最終決定権は僕にありません。
ゴリ押ししたらOKしてくれるかもしれませんが
可能性は半々でしょう。

いえ、ここに文句を言うのは筋違いでしょう。
あの脚本にGOが出た時に
すでにやりたいことは全て詰め込みました。
だから満足しています。
それに、まだ役員試写があるとはいえ、
大きな修正は一つもありません。
有り難いことです。

明日からは新たに編集をというよりも
修正作業がメインになります。
同時に編集MAの準備を進めなくてはなりません。
すでに撮影が終わり制作部と演出部はいません。
テロップ原稿や編集の段取りなどをします。
アシスタントプロデューサーがいてくれますが
先日まで業界と関係の無い仕事をしていた方なので
技術的な話しはする前に
一度ちゃんと説明してからでないと不可能です。
それも仕方ないことです。
むしろ勝手に進められるよりは100倍マシです。

で、役員試写の結果が来るまではやること、
出来ることはありません。
多少吐き出しの準備をすることぐらいですが、
修正が出ることを前提にしても
前提にしないでも中途半端な作業です。

で、今日はオフラインマシンを持たずに
帰宅することにします。

あるといじっちゃうからね。

でも、帰宅しても
”おかえりー!”と走ってくる子どもたちはいません。
何せ天下のGWです。
奥さんと子どもたちは、
奥さんの実家に遊びに行きました。

ゴーオンジャーも来るみたいだし。

じゃ!







って、日記を締めくくるつもりだったんだよ。
しかしね、大変なことになってしまいました。

もうね、本当に大変なことになりそうです。

うん、表が裏に、右が左になった感じです。
でもね、そうは簡単な話しじゃない。
そもそも表の物は裏にならないのね、
そんな風に撮ってないからね。

いやぁ、もう、笑うしかない。

つーか、どうしようもない。

まあ、手を打ったというか
色々話しはしたんだけど、
どんな話しかは書けない。




ただね、それをヤルなら
どちらも痛いよってことさ。




切るのは映像じゃない
気持ちだったり意思だったりだ。

思いを切れるのか、
思いを断ち切れるのか、

まあ、頑張れ、俺様。



本当に、じゃ!







って、なかなか眠れません。
明日からの編集やらなにやらの方向性とか
色々考えるとなんだかドキドキしてきます。

正直、自分が間違ってなんか全然無いのに
まるで、自分が全て悪かったかのように
考え込んでしまいます。
勿論、自分の意見や主張、
意図を通すことも大切かと思いますが、
これは、やっぱり仕事なんです。

だから、明日の決定には素直に従おうと思います。

多分、僕が我を通したところで、
誰も幸せにはなりません。
そんな辛い状況で仕上げてたら
僕自身も幸せでは無いです。

誰かのために、
誰かの誰かのために、
求められたことのために
作った、作るビデオなので、
全ての人には無理でしょうけど、
大多数の人に幸せになって欲しいですから。



クライアントさんを困らせても仕方ありません。



良いものに仕上げます。

まあ、俺に任せてください。

じゃ!