新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

自己満足。

4月13日
先日、実家に行った際
子どもたちを撮影したビデオを
編集したホームムービーってやつを
多分、実家にはDVDデッキなんか無いだろうと
わざわざビデオテープにダビングして
持っていった。

が、自宅にビデオデッキは無かった。
そう、もちろんDVDデッキも無かった。

こないだ壊れたそうだ。
でも、あまり使っていないからと
TV単体しか置かれていなかった。

手にした5本のビデオテープは
ただのビデオテープになった。
この状態では決して孫、ひ孫の姿は
見ることが出来ないし、
想像することもできない。

ショックとか愕然とか驚愕とか
そういうことではなくて、
なんだか、”そういうものかぁ”と
落胆に似た感情が去来した。


とはいえ、せっかくここまでやったのだ。
なんとかしてでも、強引にでも
孫・ひ孫が遊ぶ姿のビデオを見せたい。
いや、正直本人たちは
見たいとは言っていないし、
性格から考えても”見たい”と言わないだろうし
見たとしても”へー”くらいの感想しか
持つことは無いだろうと思う。

が、である。

相手は、俺だ。
息子であり、孫の俺だ。
ここまでして、”はい、そうですか”と
持ってきた5本のテープを持ち帰るなんざ
でっきっこないし、絶対にヤダ。



で、これまた先日、
大手電化製品量販店に行き
ビデオデッキを探しに行った。

探しに行ったというのは本当で、
行けばそこにあるという代物じゃなかった。
そう、探していたのは
純粋なビデオデッキだから。
DVDも付いてなくて良いし、
ましてやブルーレイなんて言ったら
うちの母親なんてCDの親戚かと思うに違いない。
いやいや、DVDだってCDの親戚だと
未だに思っているに違いない。
ほっておいたらCDデッキにDVDを入れて
音が出ないよ、なんて平気で言うに決まっている。

それに、すでにビデオデッキの無い状態で
全く困ってはいない生活なのだ。
録画機能すら必要ないくらいだ。

が、探しても探してもビデオデッキは無い。

売り場にも売り場説明の看板にも
ビデオデッキの文字すらが無い。


時代はすでにビデオテープから
DVD、ブルーレイ、HDDに変化している。
変化し終わっているとも言えるだろう。


途方にくれてしまったが
売り場の隅っこにそれはあった。


ビデオデッキじゃない。


DVDプレーヤー。
再生のみの簡単デッキ。
それも金額が3980円!


なんなんだこの値段は。


いつのまにか
デッキなる物の値段が
皆目検討が付かなくなってしまった。
たしか、ビデオデッキって
5、6万くらいしてたと記憶している。
かなり前に安くなったなぁで、
たしか1万円くらいだったか…



つーか、DVDのBOXなんか買ったら
再生専用デッキなんて
いくつ買えることになるんだ?



そんなことはどーでもいい。



そういう訳で、
実家にDVDプレーヤーを送ることにした。
ビデオテープをなんとかして見せるという
結論には導くことが出来なかったが、
子どもたちの勇姿は
綺麗な映像で見せることが出来そうだ。






あ、送るはいいが、
配線はどーしようか…

配線のサービスもあったけど
1050円もするので辞めた。
再生専用デッキつなぐのに
金を払うなんて馬鹿馬鹿しい。

あ、そうだ、甥っ子が工業高校だったはず。

俺も工業高校で、
TV裏の配線はお手の物だ。

彼ならピッと出向いて
5分で配線できるに違いない。


「あ、ゲンイチロウだけど
 (相手も同じ苗字だからね)
 あのさ、工業高校だったよね確か?
 TVの配線ってあるでしょ、
 あんなのは、お茶の子さいさいでしょ?」

「いや、出来ないっす」

「え?」

「あ、でも説明書とかあるんですか?
 あるならなんとか出来るかもしれないです」

「かもしれないですって…」

「すいません」

「すいませんって…ま、まぁ、とりあえず、
 ○日にプレーヤーが届くから行って配線してこい。
 説明書も入っているはずだから。
 じいさんばあさんよりは出来るだろ?」

「うん、それは、そうだけど…」

「じゃ、頼む」





つーかね、
なんだか、親孝行気分というか
そんな物を電化製品量販店で買った気がしたのね。

それも驚愕の値段でさ。
3980円で。

後は、子どもたちDVDを
送付するだけ。




え?自己満足?




そうかもしれないね。
でも、(もうすぐ)35年経つけど
親や祖父母に直接プレゼントなんて

初めてのことなんですよ。




自己満足で良い。




じゃ!