新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

寝起きのてれびくん。

4月2日
自宅に帰りついたのは
ほぼ4時で、布団に入って目を閉じたのは
恐らく5時少し前だったと思う。

今日は11時から打ち合わせがあったが、
ギリギリの9時50分までは
寝る腹積もりであった。
そうしないと、打ち合わせも満足にできないし
大体、頭が働かない。


が、俺の身体は8時15分には
大きく揺らされており、
耳元では大声で叫ぶ息子がいた。


実は、昨日の夕方頃に
息子が電話で話したいと
奥さんからメールがあって、
手の空いた時に電話をした。
その時の電話で
俺はある約束をした。

その約束をはたして貰う為
息子は全身全霊で
俺を揺らす、大声を出す。
親なのに親の敵のように
俺を起こしにかかっている。


「パパー!起きてよー!
 てれびくんの付録作ってよー!
 ゴーオンジャー作ってよー!!」


5分から10分、
いや、俺の感覚的には
1時間以上の騒音に感じたが
息子の強い思いは、
俺の強い睡魔に打ち勝った。


「わ、わかった。わかったから、
 後、5分寝かしてくれよ!」

「ダメだよ!約束したでしょー」


普段、約束の大事さを教えている。
そんな俺が約束を破るわけにはいかない。
ここは、どうあがいても
てれびくんの付録を最低でも一つは
作ってやらないと収まりがつかないだろう。



ふらふらしながら、顔を洗い、
さっき外したばかりの眼鏡をかけた。
息子が本誌と別にした付録を
丁寧に袋から出して机に並べた。
いくつかは、台紙から切り離しており、
少しは自分でやろうとした努力が
垣間見える。

息子は、俺に、
これ以上近づくのは無理というくらい
身体を密着させている。
見ている先は、俺の手元。
ゴーオンジャーに登場する
劇中の武器の完成を
今か今かと待っている。
1分起きに『早く出来ないかなー』と
俺の手に言っている。

見たらわかるだろうが!



この、てれびくんの付録。
毎月、子どものハートをがっちりキャッチする。
また、ちょっとしたギミックもあり
完成してから遊ぶのが
楽しくなるような工夫が満載である。

その分、その組み立て作業は
場合によっては1時間から2時間必要とし
前回の付録である『エンジンオー』には
2時間近くの時間を費やしたのだ。
ものの数分で娘が腕をブランブランにさせたが…


俺は眠いながらも
2時間かかるコースの付録であった場合
仕事に行く時間になる前に
完成させることは不可能かもと考えた。
それは、かなり最悪な状態である。
仕事に行く俺にしがみつく息子が見えるようだ。
なんとしても、スピードを上げて
作らなければならない。
前回はノリを使用して
仕上がりを綺麗にしたんだが、
すぐに壊されることと、
ノリでは時間がかかるため、
セロハンテープで
ガンガン進めることにした。

そして、30分後。
思ったより部品点数が多くなかったので、
大変なことにならずに済んだ。
時間は9時を少し回ったところだった。


遅めの朝食を食べ
ちょっと一息すると
もう出発時間だ。


ほとんど寝ていないが
仕方が無い。







ハッと気が付いたら
打ち合わせ時間の11時、5分前だった。
俺は電車の中にいた。

降りなければならない
目的駅はとうの昔に過ぎており
電車は都内から隣の県に入っていた…





じゃ!