新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

強き、こころ。

3月8日
朝から子ども二人を連れて
近所の公園に行く。
上の息子は自転車で、
下の娘はベビーカーで。

到着したのは9時30分の少し前で
昼間でいるつもりだから
約2時間30分は公園にいるつもりだ。


4歳の息子は自転車を乗り回し、
2歳目前の娘は、その自転車を追い回す。
いつまでも、そうしてくれていたら
面倒を見るのも非常に楽なんだが、
そんなことを永遠に続けるほど
子どもは集中力は無い。
すぐに娘は、滑り台の方へ行き、
息子は、少し小高い丘の方へ行く。
全く逆の方向である。
娘を一人で滑り台に行かすのは
非常に危険である。
滑ることよりも、
そこに行き着くまでの階段が
一番危険度が高い。
が、息子の自転車の運転技術も
褒められた代物ではない。
まず、前を向いて走らないし、
のろのろと坂を登ろうとして、
コテッと転ぶ。
自損事故だけならいいが、
公園にはほかにも小さな子どもがいるし
杖をついたご老人だっている。
誰にぶつかるかなんて、わからない。

まあ、ありがたいことに
僕の声は割りと大きく出る方なので
身体は娘の方にやり、
顔は息子の方を見て、
事故が起こる前に注意を
大声で促すことができる。

そんな作戦でしばらくは問題なく。

そして、1時間もしないうちに
新たな遊びの方法を見つけ出す。
二人して砂場へ行ったかと思えば、
砂場で出会った同年齢くらいの子と
即興で友人になり、
その子も自転車があったので
二人で公園内をツーリング。
娘も対抗してなのか
児童館から三輪車を借りてきて、
漕げやしないのに、
必死で両足で三輪車を動かしながら
お兄ちゃんを探し回る。
探すのに飽きてブランコに行く。

ふと兄の方から眼を離すと…

息子が明らかに自分より年齢が上の
(恐らく小学校の2年生か3年生くらい)
子に殴りかかっているじゃないか!
その短い腕と足を必死になって
相手に繰り出してはいるが、
全く当たっていない…

いや、その状況を面白がってはいない。

すぐさま、大声を張り上げた。


「何をやってるんだ!」

いや、おおかたのことは分かる。
完全に見ていないので、
どちらが悪いからどうのとは
言わないが、
同見ても、小学生が
自分より小さな子に対して
ちょっかいを出したのだ。
思わぬ反撃にあって
ちょいと驚いた。そんなとこだろう。

父親がこんなにも
臆病でケンカなど記憶にある限りでは
全くやったことの無い人間なのに、
息子は”強く”なろうとしている。

駆け寄って、
どうして、ケリやパンチをしたのか
息子に問いただしてみた。

が、絶対に話そうとしない。
悔しさでいっぱいの表情をしている。
よほど腹に据えかねることがあったのだ。
がとはいえ、俺は見ていない。
息子の肩をもってやりたいが、
実際に悪いのがこちらってことも
ままある話しだ。
しかし、一方的に説教をするのも
どうかと思った。


息子は詳しく話さない。
けど、とても悔しい出来事があった。
だから、絶対に相手に手を出さないという
約束をやぶってまで向かっていった。

まあ、この事実だけで
よしとすることにする。

とりあえず、あの小学生には
近づくなよと言い含めて。
ものの数分で別人のように
遊びまわる息子。
この切り替えの早さは誰似か…

まあいい。

そうしている間、
砂場に娘を一人置いてきてしまった。
けど、他の子のお父さんが、
この事態を見ていたので
何気に娘を見ていてくれていた。

ありがとう、誰かのお父さん。

帰り際、その誰かのお父さんに目礼。
相手もちょうど、友達になった相手が
うちの息子だったこともあって目礼。



アイコンタクト



”大変ですね、お互い”





前に妹がいじめられそうになった際、
自分より上の年長さんに歯向かった時の
あの勇敢さと強さ。
そして、今日の
大きく身長差がありながらも
果敢に相手に立ち向かう姿は
自分の息子だからなのかもしれないが、

感心を通り越して尊敬すら感じた。





お前は俺の数倍強い心を持っている。
だから、あながち
ゴーオンレッドになりたい夢は
叶わない夢じゃないんじゃないかもしれない。

きっと正義の味方になれると
パパは思う。



じゃ!