新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

晴れた日には、ハーレーを。

2月13日
動いていたはずの仕事が
パタリと足を止めた。
このままずっと止まることは
まず有り得ないが、
よーい、スタートの
よーいと言われて待っている感じが強い。
クラウチングスタート
足をプルプルさせながら待っている感じだ。

さて、それは、それ、これは、これ。

今日も映画シノプシスを書く。
色んな人から貰った意見を
一度、自分の中に取り入れて
消化できるか?納得できるか?
色々考えて吐き出そうとしている。
吐き出した内容に
一切、その意見が入っていない場合も多いが
貰った意見は必ず考えるよう心がけている。
学生時代なぞは
自分の意見に合わなければ完全否定していたが、
それでは、前には進まない。
前に進んでいるようで、
実は横に動いているだけだったりする。
取り入れるかどうかは置いておいて
貰った意見を考えるという工程を踏まずして
新たな展開は無いだろうと思う。

だから、今日は沢山考えた。


んで、考えて頭が少し痛くもなったので
自宅に帰って子どもと約束していたことをする。





朝のこと。
我が家は8:時30分頃から
スクランブルのかかったように忙しくなる。
幼稚園に向かう仕度が全員重なるからである。
奥さんは弁当を作った後
着替えたり化粧したりしたバタバタ
息子は朝食を食べた後
絵本出したり、おもちゃ出したりと遊びでバタバタ
娘もおにいちゃんと一緒に遊んでバタバタ
挙句におもちゃを取り合いしてギャーンと泣く。

そんな中、息子が話しかけてきた。

「今日、自転車で幼稚園行きたい」

それは無理な相談だ。
こないだ届いたばかりの自転車。
ハーレーの自転車。
まだ1回しか練習していない自転車。
いや、何回練習をしたとしても
自転車で幼稚園に行くのは無理だ。

「わかった。でも、今日は無理だ。
 だって、もっともっと練習して
 上手に運転できるようにならないとさ、危ないから」

「えー」

「よし、今日、幼稚園から帰ってきたら練習しよう!」

「うん、分かった!」


帰宅したらすぐに息子が飛んできて
自転車の練習しよう!と言ってくるとばかり思っていた。
が、違った。
幼稚園での友人から
お下がりのおもちゃを娘が貰いうけたのである。
帰宅したら、息子、娘ともども
そのおもちゃに夢中であった。

「あ、パパ!見て!」

「見てじゃねーよ!自転車は?」

「あー」

もの凄くそのおもちゃで遊ぶことに
後ろ髪を引かれる様子。

逆に俺の方が説得して外へ連れ出す。
って、なんで俺が息子を説得しなきゃならんのだ。


我が家は出ると、ほぼすぐバス通りにぶつかる。
つまり、交通量も多く、かなり危険。
息子に、公園に着くまでは
絶対にパパの言うことをきけと念を押す。
そして、絶対に自転車から降りるなと。
今日ばかりは、
いつも便利なわが町が
とても危険な町に見えた。
片手で自転車をひっぱり
すぐ横をバスがすり抜け、
反対側から来る通行人に舌打ち。
ふらつくおばさん自転車なんか
蹴り上げてしまいたくなる。

でも、まあ、なんとか公園にたどり着く。

すでにここまで来たことで
息子にはある種の達成感があったようだ。
例え、パパが自転車を引いていたとしても
全ての工程を自転車に乗ってやってきたのだ。
ただ引かれるだけでなく
途中、自分でも自転車を漕いだし。


公園は遊具スペースと広場スペースがあり
遊具スペースには子どもが沢山走り回っていたが、
広場スペースには全くいなかった。

そこで、存分にハーレーを乗り回させた。

ちょっとした山的な部分へ
自転車を押して登る息子。
重くてなかなか登れないので
手伝ってやったが、
頂上の手前で

「危ないから、ここでいい」

いや、頂上でなくても
充分に危ないから…

で、自転車に乗って
山を降りていくのかと思いきや

「危ないから…」

と自転車を押して降りようとする。

「あ、おい!そっちの方があぶないって!」

まだ、息子の体格では
自転車を押していると足が補助輪にぶつかるのだ。
それが坂道だととても顕著になるので
余計に危険だと判断した。

で、少し不安げな息子を自転車に乗せてスタート。

すーっと降りていく自転車。
で、急ブレーキ。
坂の途中で止まる自転車。

息子は極度のビビリなのだ。



「あぶなかったぁ~」

「いや、全然危なくなかったから…」



その後も何度か坂の中腹から
自転車に乗りライディング。
さすがにブレーキをかけないようになったが、
自分の足がペダルにあるか確認する癖があるみたく
すぐに下を見るものだから、
気が付くと目の前に木。
よそ見してて補助輪が柵にドン。

何度かすってんころりんと転ぶ。

そのたびに泣きそうな顔をするが、
うーうーと足を押さえながらも
絶対に泣かない。

うーうーと言いながら、
また自転車に跨る。
思ったより根性あるのかもしれない…




帰宅も自転車で帰った。
帰り道、どことどこが危ないか
交差点の渡り方などを丁寧に教える。
気分がいいのか、息子は従順に聞いている。
しかし、こういう手合いは慣れてくると危ない。

だいたい、自動車も免許取立ては安全だけど
ちょうど初心者マークが外れた頃に
事故をやらかすものだ。


風呂場で息子が
「もう危ない場所は覚えたよ!」

あーそうかい、でもな、
自転車で幼稚園に行くには
更なる関門が待っているぞ。

例えて言うなら、
ラスボスを倒した後に出てくる本当のラスボス的な、
いや、単純にまだ脚力が足り無すぎるぜ。


でもな、お前とその自転車
すげーかっこいいよ。



じゃ!